原発ストレステストとは

カテゴリ: 原子力災害

読み: げんぱつすとれすてすと

 原発ストレステストとは、原子力規制委員会が原子力発電を行う電力会社などに対して義務づける原子力発電所の安全性を高めるためのコンピューター解析による耐性評価テストを言う。

 具体的には、原発や核燃料施設が想定を超える地震や津波にどこまで耐えられるか、どの程度安全に余裕があるのか――どの程度の揺れで、どの機器が壊れて原子炉の燃料が損傷するのか、津波などで原子力発電所が完全に外部電源を喪失してしまったら、何日間、原子炉の中の燃料が損傷せずに耐えられるのか、また重大な事故が起きる確率計算などをコンピュータ解析により計算する。

 原発ストレステストは、2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故のあと、当時の政府が運転再開の条件として導入したが、原子力規制委員会は2013年8月、全国の原発を対象に、定期的なストレステストを電力会社に義務化する方針を固めた。
 電力会社にストレステスト実施を義務づけるのはこの制度が初めてで、規制委員会は2013年12月までに導入することとしている。

 原発の再稼働には「新規制基準」を満たす必要があるが、原発ストレステストは、電力事業者みずからが運転再開後にも安全性の余裕を継続的に高める制度として、原則、5年に1度行うよう法律で義務づける。また13カ月に1度行う定期検査ごとに、導入した対策を評価し報告することも求める。原発事故により「安全文化の形骸化」が批判された電力業界の意識改革を促す狙いがあるとされる。
 規制委員会は2013年9月、商業用原発には再稼働後2年以内に最初のストレステストの提出を義務づける方針を決めた。

 なお、ストレステスト(stress test)という用語は一般的には、システムに通常以上の負荷をかけても正常に動作するか、隠れた欠陥がないかを調べるリスク管理手法の耐性評価のひとつで、銀行などの経営内容の健全性を調べる検査で用いられることもある。

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