昭和三陸地震津波(1933)とは

カテゴリ: 災害教訓

読み: しょうわさんりくじしんつなみ(1933)

 昭和三陸地震津波とは、1933(昭和8)年3月3日午前2時半ごろ、岩手県釜石町(現・釜石市)の東方沖約 200 kmを震源として発生した地震(気象庁推定M8.1)で、沿岸一帯の揺れは震度5程度であったが、大津波が三陸沿岸に襲来、岩手県と宮城県北部沿岸のリアス式海岸地帯を中心に大きな被害を及ぼした津波災害である。

 津波は30分ほどで大きな引き波が見られ、それから約5分後、津波第1波が襲来した。水深の大きな所では波の前面が屏風を立てたように切り立ち、遠浅の海岸では泡立ち、重なり合うように押し寄せたという。
 冬季の地震・津波で、かつ真夜中で停電という混乱のなかでの逃げ遅れが多数の住人の死につながり、死者・行方不明者は約3100名にのぼった。
 最悪の被害は岩手県田老村(現・宮古市田老町)で、全戸数824のうち505軒が被災、全人口4982人のうち死者848名、行方不明363名、住家流失428棟となった。

 この津波で火事も発生。田老町では津波に流された40人が火事で焼け死んだ。ランプをつけたままの家が流され倒れて火事になったとの証言がある。釜石町では2カ所から出火、山火事も発生して299軒を焼く大火事になった。

 昭和三陸地震津波での救助・救援活動は活発で、津波直後、船を出して海上で漂流する13名を助けた村もあった。被災後の片づけでは盛岡から少年団が駆けつけ、地元の少年たちも活躍した。この津波のあとわが国の津波予報が大きく進歩した。

 昭和三陸地震津波災害の特徴として、陸地での揺れは震度5程度で必ずしも大地震ではなかったが大津波が襲来したことや、冬季、深夜で停電の混乱が重なったことなどが指摘されている。
 いっぽう、その37年前に発生した「明治三陸地震津波」(1896年6月15日)と比較して比較的に津波高が低かったことや、37年前の体験・教訓が住民の記憶に鮮明に残っていたことで、冬季・深夜の大津波襲来という悪条件のなかで、むしろ死者・不明者数は大幅に少なかったとする見方もある。

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