温室効果ガスとは

カテゴリ: 環境

読み: おんしつこうかがす

 温室効果ガスとは、地球の大気に含まれ、太陽からの日射エネルギーを通過させるいっぽう、赤外線を吸収し、熱が地球の外へ出て行くのを防ぐ性質をもつ二酸化炭素(CO2)やメタン、一酸化二窒素、代替フロンなどの気体を言う。
 この性質のため、太陽からの光で暖められた地球の表面から地球の外に向かう赤外線の多くが熱として大気に蓄積され、再び地球の表面に戻ってくる。この戻ってきた赤外線が、地球の表面付近の大気を暖めることを温室効果と呼ぶ。

 CO2を基準にして温室効果の程度を示す温暖化係数(Global Warming Potential)はそれぞれ異なる。IPCC第2次評価報告書(100年間での計算)での温暖化係数は、CO2比で、メタンは21倍、亜酸化窒素は310倍、フロン類は数百~数万倍となる。

 温室効果のために現在の世界の平均気温はおよそ14℃となっているが、温室効果がない場合、地球の表面の温度は氷点下19℃まで下がると考えられている。温室効果ガスは人間の活動によって大量に大気中に放出されたことから地球温暖化が引き起こされたとされ、温室効果ガスが増えると温室効果は強まり、地球の表面の気温はさらに高くなるとみられている。

 温室効果ガスの排出をできるだけ少なくし、地球温暖化の進行を抑えることが、人間社会と自然環境への地球温暖化の影響を小さくすることから、国連が1992年に採択した「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)」は、大気中の温室効果ガスの濃度を「気候に危険な人為的影響を及ぼさない水準で安定化」させることを目的とした。
 この具体的な方策として、1997年に京都で開かれた第3回条約締約国会議(COP3)で、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務づける「京都議定書」がまとめられた。

 京都議定書では、先進国ごとに温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、国際協調による排出量の削減を促進する仕組みを導入。同議定書による日本の削減目標は、2008~2012年の5年間の平均排出量を基準年(二酸化炭素については1990年)に比べて6%減らすことで、この目標は達成した(ただし、日本は2013年に始まった同議定書の第2約束期間には参加していない)。
 京都議定書の後継となる新たな国際合意をめざし、2011年11月のCOP17で、すべての国を対象とした2020年以降の新しい枠組みをつくることが決定され、2015年に開催されるCOP21で合意することをめざして議論を続けている。

 地球温暖化対策でもっとも大きな課題はCO2の排出量の削減、すなわち化石燃料の消費を減らすことだ。わが国のCO2排出量の約2割は、給湯や暖房、調理のためのガスの使用、電気製品の使用、自家用車の利用など、私たちの日常生活から排出されている。一人ひとりの温暖化対策も欠かせない。
 また、地球温暖化が進むもうひとつの原因は、森林破壊などによってCO2の吸収量が減少していることにある。このため、新たな植林や再植林に加えて、森林の植生を回復する森林経営の取組みが重要だ。

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