遠地津波とは

カテゴリ: 津波

読み: えんちつなみ

遠地津波とは、気象庁の定義によれば、「日本の沿岸から600km以遠に発生した地震による津波。その地点で地震波動を感じないような遠方の地震による津波」を指す。1960年5月24日に日本を襲ったチリ地震津波がその代表例となる。
 参考まで、「原因となる地震が発生してから1時間以上たって襲来する津波」とする定義もある(東北大学津波工学研究室)。

 遠地津波の予報は、気象庁が太平洋津波警報センター(PTWC、米国ハワイ州)の情報を補完して、北西太平洋域沿岸各国のニーズに応えて津波の波高予測も含んだ北西太平洋津波情報の提供を行っている。

 なお、気象庁は、2010年チリ中部沿岸の地震による津波を踏まえ、太平洋の遠い海域で発生しわが国へ来襲する遠地津波における予測精度を向上するため、遠地津波データベースの改善、遠地津波予測シミュレーションの高速化・高精度化を行い、2012年6月から新たな津波評価・解析装置による津波警報等の発表・運用を始めている。
 このシミュレーションの高速化に伴い、例えば、 チリ沖で発生して太平洋全域に伝播し日本に襲来する津波を、新しい海底地形データ解像度で36時間分計算した場合、従来の30時間程度から約2時間に短縮して実施できるようになったとしている。

 ちなみに、津波の発生原因には、海底での地震のほかに、海底火山や海底地すべり等に伴う地殻変動、陸上の火山などによる地滑りで海に大量の土砂が流れ込むことによって起こる津波がある。1792(寛政4)年の有明海の津波は、雲仙岳の火山性地震による眉山の山体崩壊で発生し、死者1万5000人を出す「島原大変肥後迷惑」と呼ばれる大災害となった。
 また、地震波動が比較的小さい地震が大きな津波を起こす津波地震(「ぬるぬる地震」)としては、1896年明治三陸津波があり、死者約2万2000人を出した。

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