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海水が飲み水に。小型で移動可能な海水濾過装置

 災害時は飲み水確保が重要となる。川の水や溜まった雨水などの濁った水を浄化する装置が東日本大震災でも活躍した。しかし海水においては、飲料化できない、できたとしても塩分除去が不十分であった。それらを可能にする装置もあることはあるのだが、避難所という限られた人数に供給する場合、必要量を大幅に上回る能力を持て余してしまう、またサイズも巨大なため避難所間の移動が困難になってしまうという問題を抱えていた。

 そうした中、広島県尾道市は、淡水だけでなく海水も飲料化する小型の移動式装置を災害時に備える目的で導入した。この装置は、同県福山市の環境関連機器メーカー、エス・エス・ティーが開発。同社では昨年、濁った淡水をろ過する災害対策用の装置をすでに開発していたが、尾道市の要請により、海水からも飲料化でき、かつ運搬しやすい小型な装置の開発に着手。2トントラックで運搬可能な小型化を実現した。

 小型ながら海水なら1日10トン、淡水ならば15トンの処理が可能で、尾道市では大人一人当たり約3リットルを想定し、海水から約3300人分の飲料水を確保できるとしている。処理水の水質は水道法の基準を満たしており、また、実際に導入したのは水の専門家と言える市の水道局だけに、その安全性は折り紙つきと言える。  エス・エス・ティーによると、今回の導入によって全国各地から反響が寄せられており、今後も自治体の要望に応じた装置の開発、納入を進めるとしている。

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