感染症
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エボラから生き延びた米国人医師 後遺症に苦しむ現状を告白

 米カリフォルニア州で現在開催中の感染症の専門家による学会で、西アフリカでエボラ出血熱に感染し、生還を果たした米国人医師が、現在も耳鳴りや眼の痛み、記憶障害などの後遺症に苦しめられている現状について告白した。


 カリフォルニア州サンディエゴで開催中の「ID Week」は、世界中で爆発的な流行(バンデミック)のおそれがある感染症について、医療関係者や公衆衛生の専門家が集まって報告する国際会議だ。


 開催初日の7日は、エボラ出血熱が猛威を振るった西アフリカのシエラレオネで、昨年8月に医師として医療支援チームに参加したイアン・クロージャー氏が登壇し、エボラ出血熱に感染した自身の経験を報告。


 クロージャー医師はアフリカ南部のジンバブエで生まれ、のちに米国籍を取った43歳。昨年9月初めに発熱と頭痛の症状を訴えて、ウイルスの陽性反応を確認。すぐに米国に移送され、アトランタのエモリー大学病院で6週間に及ぶ隔離治療を受けた。


 ウイルスが陰性となって退院してからも、クロージャー医師はひどい耳鳴りや重い腰痛などの後遺症を発症、記憶障害も感じるようになった。2カ月前には、てんかんの発作も起きたという。


 最も深刻な後遺症のひとつは視界がぼやけるようになり、左目はひどく傷み、眼圧が高くなったこと。さらに瞳の色も青から緑に変化したという。検査の結果、眼圧を調整する房水からエボラウイルスが発見された。


 クロージャー医師は「退院後100日を過ぎた昨年末、眼球の結膜組織からウイルスが見つかりました。精液からウイルスが完全に検出されなくなるまでには9カ月間かかりました」と話し、「西アフリカでは感染者が一時のピークを過ぎて、流行が終息に向かっていますが、生存者は長い間、ウイルスに苦しめられます」と訴えた。


 クロージャー医師のケースは体内に潜伏したウイルスが再び炎症を起こす「ポスト・エボラ症候群」として、エモリー大学では今後、発症のメカニズムの解明を進めるとしている。

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