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温度で色が変わるカメレオン発光体で太陽電池の変換率アップ

 温度によって光る色が変わる「カメレオン発光体」の技術を太陽光電池に応用することで、エネルギーの変換効率を2%アップさせることに北海道大学の研究チームが成功した。これは世界最高記録で、函館市が3年間に消費する電力の省エネに相当するという。


 東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、太陽光エネルギーを電力に変換する太陽光発電の普及が進んでいる。太陽電池には素材によって「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3種類に分かれており、国内ではシリコン系が最も多い。


 現在、さまざまなメーカーや研究機関が光エネルギーを電力に変換する技術の開発に努めているが、現時点で変換効率が最も良い製品でも、せいぜい20%止まりだ。


 北大大学院の長谷川靖哉教授は、従来のシリコン太陽電池に、特殊な保護フィルムを一枚装着するだけで変換効率を2%向上させることに成功した。


 この保護フィルムは、紫外線の光を赤色光に変換する「カメレオン発光体」を取り入れたもので、従来のシリコン太陽電池に貼り付けると、カメレオン発光体が紫外線の光を吸収することで、太陽電池の変換効率が向上し、耐久性も10年間維持されることがわかった。


 この太陽電池フィルムを装着することで、例えば人口約27万人、14万3800世帯の函館市の3年分の電力を節約できる計算だという。


 長谷川教授は「この新技術によって、世界中で省エネ効率が高まることが期待できる」として、国際特許を取得するために出願をしている。


 なおこの研究成果は、日本化学会が主催する「第5回CSJ化学フェスタ」で13日に発表された。

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