感染症
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慢性E型肝炎 国内初の感染例を確認 輸血製剤が原因

 厚生労働省研究班は肝臓移植後の患者を対象としたE型肝炎感染の実態調査を全国規模で行った結果、2人が慢性肝炎を発症していたことが、28日明らかになった。国内で慢性E型肝炎の発症が確認されたのは今回が初めて。


 研究班は筑波大学や東京大学など全国17カ所の大学病院で、過去に肝臓移植手術を受けた患者1893人を対象にE型肝炎ウイルスの遺伝子検査を行ったところ、関東地方に住む60歳の女性と、九州地方に住む41歳の男性の2人からウイルスの陽性反応を確認した。


 女性は原発性硬化性胆管炎、男性は肝がんと脂肪肝の合併症で、調査から1年以内に肝臓移植手術を受けた患者で、いずれの症例も治療中に使用した輸血用製剤が感染源であることが判明している。


 E型肝炎は、公衆衛生環境が整備されていない発展途上国で水から感染することの多い病気だが、先進国でも過熱不十分なブタレバーやイノシシの肉などで感染するケースが増えている。ほとんどは症状が出ずに自然に治ることが多いが、肝臓病患者や妊婦では、劇症化したり、死亡する率が高くなる。


 研究班に参加した筑波大学消化器外科の大城幸雄講師は「輸血を受けた患者は、臓器移植以外にも抗がん剤の治療などで、免疫機能が低下した患者が含まれる可能性があり、輸血後の追跡調査や献血の際のスクリーニングを拡大する必要がある」として、腎移植や心臓移植患者にも対象を広げて調べを進めている。