テクノロジー

進撃の巨人気分?設計者と居住者の視点で家具をレイアウト

 東京大学や産業技術総合研究所などのグループは、家具や壁を空間に配置する際に、設計者と利用者の両方の視点を体感できる新たな設計システムを開発した。


 住宅や店舗などの空間をレイアウトする際、これまでは俯瞰図面やミニチュア模型を使って設計するのが一般的なやり方だった。近年、バーチャルリアリティ技術の進歩により、居住者や利用者の視点を体感できる技術も登場したが、利用者が体感した結果を設計者に伝えるには、時間や労力などのコストがかかっていた。


 東大の五十嵐健夫教授と産総研のグループは、複数の設計者がタッチパネルを操作して俯瞰視点からインテリアを配置したり、消去する「ドールハウスVR」を開発した。居住者は頭部にディスプレイを装着すると、バーチャルの3次元空間が映され、居住者はジョイスティックを動かして空間内を自由に移動できるシステムだ。


 設計者の手元のタッチパネルには、空間内を移動する居住者の動きや位置が明示され、居住者が体感した結果をその場で伝えることができる。


 ユニークなのは、タッチパネルに備わっているウェブカメラを通じて設計者のようすがリアルタイムでバーチャル空間に映し出される機能だ。居住者は空間内を移動しながら、設計者が天井から覗き込んでいるようすも体感できる。ちょっとした「進撃の巨人」気分だ。


 研究グループは、飲食チェーン大手のがんこフードサービスの協力を得て、新規オープンの店舗で、設計担当者や店長らに「ドールハウスVR」を体感してもらう実験を行い、有用性を確認した。


 今後、実際の住居や商業施設などで実証実験を重ね、早期の実用化を目指す。なおこのシステムは、神戸市で5日まで開催中の「コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議」で発表された。

 あなたにオススメの記事