感染症
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ジカ熱 さらなる感染拡大の可能性は? WHOが緊急会合

 蚊が媒介する「ジカ熱」の感染が、中南米だけでなく欧米にも広がっている。感染すると小頭症や神経障害につながる危険性が指摘されていることから、世界保健機関(WHO)は、2月1日にスイス・ジュネーブで緊急委員会を召集し、公衆衛生上の緊急事態を宣言するかどうか協議する。 

 

  米国保健福祉省(HHS)や米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国内での感染は今のところ確認されていないが、メキシコを旅行して帰国後に発症した例が報告されているほか、ヨーロッパでも、デンマークや英国、ポルトガルで旅行者からウイルスが検出されている。

 

 昨年5月にブラジル北東部で始まったジカ熱の感染は、中南米の22以上の国と地域に広がっている。ブラジル保健省が29日に発表した最新の報告によると、同国での感染者は推定で150万人以上にのぼるおそれがあり、小頭症の新生児は、26州のうち24州で4180件確認されている。

 

 このうち死産や流産は68人を数え、同国政府は、妊娠中のジカウイルスと胎児の小頭症の関連性が高いとして、全土をあげて蚊の駆除対策を進めるとともに、29日にはオバマ米大統領との間で、ジカウイルスに対するワクチン開発に向けて協力関係を結んだ。

 

 ジカ熱に感染すると発熱や関節痛、結膜の充血、発疹などの症状が現れ、4~7日間症状が続くが、ほとんどの感染者は症状が出ないことが多く、感染に気づかない場合もある。一方で、妊婦が感染すると新生児が小頭症になったり、過去には手足の筋肉に力が入らなくなるギラン・バレー症候群の患者が増えるリスクが指摘されている。

 

 WHOでは、温暖化やエルニーニョ現象によってウイルスを媒介する蚊の発生環境が揃っていることや、流行国ブラジルでは来月5日以降、リオのカーニバルなど各地で行事が行われ、8月にはオリンピックが開催されて、観光客が集まることから感染のさらなる拡大が懸念されている。