歴史

防災歳時記5月20日 オペラ座の怪人と風力発電と

 映画「オペラ座の怪人」(2004年)を初めて見た時、かつて怪人によって落とされたスワロフスキー製のシャンデリアが再びつり上げられ、オペラ座に火が灯る冒頭シーンの映像美に圧倒され息をのんだ。

 

 原作は1910年にガストン・ルルーによって書かれたが、このシャンデリア落下事故は事実だ。原作者のガストン・ルルーはル・マタン紙の新聞記者で、この小説は取材によって得た事実をルポルタージュ風に各所にちりばめてある。

 

 オペラ座(ガルニエ宮)は建設中に地下水脈を掘り当てており、小説や映画で怪人が住んでいた地底湖も実際にあるらしい

 

 事故が起きたのは、今から117年前 世紀末のパリ。1896年の今日5月20日、火災によりオペラ座の7トンもあるシャンデリアが観客席に落下し、死傷者が出た。普仏戦争の賠償金支払以来20年以上停滞していたフランス経済が回復しつつある時代の話だ。

 

 日本でも1988年 バブル期に六本木の「トゥーリア」と言うディスコでシャンデリアが落下し、死傷者が出た。

 

 トゥーリアは、これまたSF映画の古典的名作「ブレードランナー」の美術デザイナー シド・ミードが内装を手がけており、落下したのはシャンデリアというより「ブレードランナー」に登場する「飛行船」をモチーフにしたオブジェに近かったが…。

 

 いずれにせよ「シャンデリア落下事故」とは、いつも華やかな時代の「あだ花」なのか。

 かなり強引だが、「落下事故」と言えば、最近風力発電のブレードが落下する事故が京都府や三重県などで相次いでいる。

 

部品の強度不足などが原因だが、こうした事故が風力発電に暗雲を投げかけている。

 

 クリーンエネルギーの有望株の一つである風力発電も時間が経つにつれて、こうした事故対策への予想外の補修費用はもちろん、当初予想していたより発電量が少なかったり、風切り音や低周波による周辺住民からの苦情が持ち上がるなどのデメリットが表面化してきている。

 

 どんなエネルギーにしてもマイナス面は必ずある。

 

原子力発電所の再稼働が次々に危ぶまれている昨今、クリーンエネルギーの旗手がこんな形で失速するのは、何とも残念な感を否めない。

 

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