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X線衛星打ち上げ成功「ひとみ」と命名 最大12mの宇宙望遠鏡を積んで

 

 17日午後5時45分、X線天文衛星「アストロH」を搭載したロケット「H2A」ロケット30号機が、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。

 

 ロケットは計画通りに飛行し、約14分後に衛星を高度576キロの軌道に投入して、打ち上げは成功した。この成功を受けて、衛星は「ひとみ」と名付けられた。

 

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、軌道投入から1時間40分後の午後7時40分に、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所が衛星からの電波をキャッチし、発電用の太陽電池パドルが正常に稼働したことを確認。

 

 衛星は打ち上げ前には開発コードの「アストロH」で呼ばれていたが、今回の成功を受けて、新たに「ひとみ」と命名された。この名前には、「画竜点睛(がりょうてんせい)」の故事に「ひとみを描き込んだ途端に、竜が天に昇った」とあるように、物事の肝心要を意味する「ひとみ」と、「熱い宇宙のなかを観測するひとみ」の2つの意味をかけているという。

 

 「ひとみ」は今後、約3カ月かけて初期の立ち上げや機器の調整などを実施し、それに続く9カ月ほどの試験観測を経て、宇宙天文台として本格観測に入る。

 

 衛星には、天体からやってくるX線を捉える2種類(計4台)の望遠鏡のほか、6台の検出器が搭載されている。そのうち、最大は12メートルの焦点距離を持つ硬X線望遠鏡で、地上の建物でいうと4階建てのビルくらいに相当する大きさが、打ち上げ時には短く折りたたまれて収納されている。

 

 これら6台の機器を使って同じ天体を長期間にわたって同時に観測することで、従来の30倍という高精度で波長を捉え、その天体が持っている酸素や鉄、ナトリウムやアルミニウムなどといった元素が放出するかすかなX線信号も検出できるようになる。

 

 また2015年に引退した先代の衛星「すざく」に比べて、最大で100倍暗い天体が観測できるなど、厚いガスに囲まれた銀河中心の巨大ブラックホールや、超新星爆発などを捉えることができるようになるとして、天文学を格段に進歩させることが期待されている。