歴史

防災歳時記5月19日 ハレー彗星が地球に最接近

 1910年の今日5月19日、約76年周期で太陽系を一周するハレー彗星が地球に最接近した。

 

 その後1986年にも近づいており、このときはテレビや新聞でも散々報じられたから、30才前後より歳上の方はうっすらとご記憶に残っているであろう。珍しいことだから、とにかくおめでたい。ある種のお祭り状態であった。

 

 しかし、1910年のときは、いささか様子が違った。当時の新聞に「地球がハレー彗星の尾に包まれると有害物質が出て死ぬ」などと報じられ、それを信じた多くの人々が救済を求めて、神社へのお参りなどが大流行したという。

 

 それ以前の古代からこの彗星の接近記録は残されており、たとえば天台宗の僧侶であった円仁の『入唐求法巡礼行記』でも、災厄をもたらす星として忌み嫌われ、お経を唱え続けたことが記されている。

 

 科学が未発達な世の中とは、実にバカげたものだ…。と、我々が一笑に付すことはできるのであろうか?

 つい最近も2012年に人類が滅亡するというマヤ文明の終末論が報じられていた。なにより1999年のノストラダムスの大予言では多くの人が表向き笑い飛ばしながらも、心のドコかでは何か引っかかる、そんな気持ちの悪い思いをしていたハズだ。

 

 そんな、わずかな疑念から生まれる心の隙。起こるか起こらざるかに関わらず、天変地異を前にすれば、人は、どうしても普通ではいられなくなる。

 

 終末論を説きながら信者を増やしたオウム真理教。東日本大震災の被災地で自治体から億単位の大金を預かりながら、大半を使途不明金にしたまま問題となっている某NPO団体。彗星の有害物質で死ぬんだと絶望し、散財をする男性客から大金をせしめたという1910年の芸妓たち。

 

 ベタではあるが、どうしても言いたくなる。いつの世も災害より怖いのは…。

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