医療技術

がん末期 自宅で亡くなった患者「生存期間が長かった」 2400人を調査

 筑波大学と神戸大学の研究グループは、自宅と病院で最期を迎えた末期がん患者約2400人について、生存期間の違いを比較した結果、自宅で亡くなった患者の方が生存日数が明らかに長くなったと発表した。進行がん患者が退院して、自宅に戻ることの不安を和らげることにつながる研究結果だとして注目されている。

 

 近年、がん患者や家族にとって亡くなる過程の医療やケアの質を評価する「Quality of death(終末期医療)」の重要性が注目されている。

 

 筑波大の浜野淳講師と神戸大の山口崇特定助教のグループは、国内58カ所の医療期間の緩和ケア病棟に入院したり、在宅緩和ケアを受けたがん患者2426人を対象に2012年9月〜2014年4月にかけて調査を実施。

 

 調査では、がんの転移や体重減少など進行具合に応じて、患者の余命を日数単位、週単位、月単位の3グループに分けて、自宅で亡くなった患者と病院で亡くなった患者の生存日数を比較した。

 

 その結果、余命が日単位、週単位と見込まれる患者については、自宅でなくなった患者グループの方が、生存日数が平均して4日から7日間長かったことがわかった。一方、余命数カ月の患者では亡くなる場所で生存期間に大きな違いは確認されなかったという。

 

 また、自宅で亡くなった患者は、亡くなる3日以内に行った点滴と抗生物質の投与の回数が、病院で亡くなった患者より明らかに少なかったこともわかった。

 

 研究グループは「今回の研究結果だけでは“自宅の方が長生きする”とまでは言い切れないが、退院して自宅に戻ることが生存期間を縮めるのではないかと心配する医者や患者、家族に対して不安を和らげることにつながる」と話している。

 

 なおこの研究成果は、米がん協会誌「Cancer」電子版に掲載された。

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