歴史

防災歳時記5月28日 船場吉兆が廃業に

 2008年の今日5月28日は、大阪の高級料亭「船場吉兆」が廃業となった日である。

 

 同料亭は、デパ地下(福岡市)でのデザート賞味期限偽装を皮切りに、牛肉や地鶏の産地偽装販売や、料亭での食べ残しを客に再提供するなど、数々の不祥事が明らかとなり、ついに廃業へ。

 

 一連の不祥事もさることながら、皆さんの記憶には、記者会見の方が強く印象に残っているだろう。

 

 同社の社長・湯木佐知子が、役員である長男と共に繰り広げた、まるでコントのようなやりとり。「ささやき女将」として完全に笑いのネタになっていたが、しかし、彼らの行為は時間が経過しても決して許されたものではない。

 

 そんな不衛生な状況では、大きな食中毒事件が発生しなかったのは、単なる偶然だったと考えるべきであろう。

 

 夏季になると猛威をふるうO-157などの腸管出血性大腸菌。

 

 感染すれば激しい下痢や嘔吐を催し、場合によっては死ぬことも。国立感染症研究所によれば、ここ10年で最も菌保有者数が多かったのは2007年の4617人で、他の年も似たような水準で推移している。まさしく船場吉兆が不正を行なっている最中にも、確実に感染者はいたのである。

 

 

 食品がらみの不祥事はときに命が関わるため、決して「ささやき女将」のようなフザけた真似は許されない。

 

 しかし、悲劇はついに起きてしまう。2011年、主に北陸の「焼肉酒家えびす」で生の牛肉を食べた117人が腸管出血性大腸菌(O111)にかかり、5人が死亡。いわゆるユッケ集団食中毒事件である。

 

 たまたまその前に日本テレビの番組で同店を取り上げ、出演者たちが賛辞を送っていたため、社会的反響も大きく、そして、これまた記者会見に登場した同社の元社長・勘坂康弘氏の態度が酷く、瞬く間にワイドショーのネタとなった。

 

 勘坂元社長は、「生食用の牛肉はない」など、まるで責任感のない言い回しで記者たちに食って掛かったかと思ったら、後日、死者が出るとカメラの前で土下座。結局、同社も廃業に追い込まれている。

 

 現在、株式会社フーズ・フォーラス(「焼肉酒家えびす」の運営企業)は清算人と弁護士に全権が委ねられ、肉の仕入れ先であった大和屋商店株式会社に対し訴訟を起こしている。

 

 その様子はサイトから確認でき、最新情報も今年4/26に更新されたばかりだが、仮に裁判に勝てたとしても、同社が被害者遺族へ補償金を支払うことができるのはいつなのか。

 

 殺伐としたサイトに希望を見出すのは難しい。

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