歴史

防災歳時記5月31日 ペルー最大の災害「一瞬にして墓地になった町」

 今から43年前、1970年の今日5月31日に、南米ペルー北部のアンカシュ州でM7.7の地震が発生した。震源はナスカプレートと太平洋プレートの境界面付近の海底。

 

 この地震での犠牲者は死者・行方不明者が約7万人。アンカシュ州の州都ワラスでは、当時の人口の半分が死亡したという。

 

 さらに近くのユンガイという町では、当時の人口約1万8000人の大部分が命を落とした。この大惨事の原因は、「ある種の土砂崩れ」。

 

 ユンガイの町は、アンデス山脈にあるペルーの最高峰「ワスカラン」(標高6768メートル)のふもとにあった。

 

 このワスカランの北峰頂上直下西側の断崖が地震の衝撃で標高差1000メートルにわたり、氷河とともに大崩落したのだ。

 

 ユンガイの町は標高約2500メートル。土砂と氷河が3000メートル以上の標高差を時速300キロ以上で走り抜け、ユンガイの町を襲った。

 

 なかなか日本では想像すら難しい災害だが、剣岳や槍ヶ岳の3倍近くもある山が、氷河もろとも上から降ってくるイメージなのだろうか…。

 

 結果ユンガイの町は一瞬にして5〜10メートルの堆積物に覆われ、1万5000人の住民を瞬時に埋葬した「巨大な墓地」と化した。

 

 ペルー政府は、一帯を国有化して国立墓地に指定、むやみに土を掘り返すことを禁じた。

 

 元の町から1.5キロ離れた場所に新たな「ユンガイ」を作ったが、40年以上経った現在も、新しいユンガイの人口は震災前の約半分の9000人足らず。

 

 この地震から30年を経た2000年。ペルー政府は地震が起きた5月31日を「天災教育と反省の日」と定めた。

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