医療技術

半世紀ぶりの多剤耐性結核新薬の暫定指針を発表 WHO

 今でも国内では毎年2万人以上の結核患者が発生し、一向に減る気配はない。そして結核治療で最もやってはならないこと、それは途中でクスリの服用を勝手にやめること。

 

 抗結核薬を投与すると、比較的すぐに症状が軽減される。そのため勝手に服用をやめると、体内に抗結核薬への耐性を持った結核菌だけが増殖し、クスリが効かない状況に陥ることになる。

 

 特に抗結核薬の中でも重要な「イソニアジド」と「リファンピシン」に耐性を持つ場合を「多剤耐性結核(MDR-TB)」と呼び、この治療のためには、20ヶ月以上も効果より副作用の方が大きい「薬漬け」になる必要がある。

 

 しかしこの多剤耐性結核に対し有効な抗結核新薬が1963年以降、半世紀ぶりに最近相次いで登場した。

 

 米ヤンセンファーマ社の「ペダキリン」と大塚製薬の「デラマニド」。

 

 「デラマニド」は承認申請中だが、「ペダキリン」はすでに米国食品医薬品局(FDA)で承認されている。

 

 しかし、このペダキリンには神経系、胃腸障害などの副作用もあり、世界保健機関(WHO)は13日、ペダキリンを使っての多剤耐性結核治療について暫定方針を発表した。

 

 同指針では、ペダキリンでの治療をする場合には、各国の関係当局が推奨する安全な治療法を用い、綿密な有効性と安全性のモニターを行なうこと、特に65歳以上の人、もしくはHIV保菌者に使用する場合は特別な注意を払うべき、妊婦や子どもには使用しない、など5項目の条件を提示している。

 

 現在、世界では毎年8万人以上の人が「多剤耐性結核(MDR-TB)」に感染し、その致死率は約50%に達していると指摘する専門家もいる。

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