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M7以上の大地震を直前予測 大気中の電子増加を分析 京都大学

 GPS衛星の観測データをもとに、地球を取り巻く大気に存在する電子の数を解析することで、マグニチュード(M)7以上の巨大地震の発生を1時間〜20分前に予測する手法を、京都大学の研究グループが開発した。

 

 地表から高さ約60キロ以上上空には、電子が高密度に広がる「電離圏」が存在する。電離圏では、電子の密度や電波の周波数の違いなどによって、電波が反射したり、吸収したり、屈折するなどの変化が生じ、衛星通信の遅れや測定の誤差をもたらす原因となっている。

 

 電離圏の電子の数は、地震や火山、宇宙嵐をもたらす太陽フレア(爆発)によって影響されることから、2011年の東日本大震災以来、地震予測の分野で利用できるかどうか研究者の間で注目されている。

 

 京大・情報学研究科の梅野健教授と、同修士課程の岩田卓也さんは、国土地理院が運営するGPSシステムが公開している観測データを利用して、電離圏の異常を検知して、巨大地震を予測する手法を開発した。

 

 具体的には、日本全土をカバーする約1300カ所あるGPS観測局のデータをもとに電子の数を予測したうえで、実際に観測される電子の数との違い(予測誤差)が大きければ「異常が大きい」と判断。観測局は1カ所だけではなく、周辺にある30カ所のデータと照らし合わせて予測誤差を比較し、解析精度を高めるという。

 

 その結果、2011年3月11日のM9の地震だけでなく、2日前に起きた3月9日の三陸沖地震(M7.3)や、4月7日の宮城沖で起きたM7.1の余震でも、発生直前に電離圏の電子数増加の異常があったことがわかった。

 

 従来の研究では、M8クラス以上の地震では、電離圏の電子数が増加する異常が検知されていたが、それ以下のM7以下では検知されていなかった。

 

 研究グループは、「誰もが見られる公開されているデータのみをもとに、人工知能の予測技術を取り入れながら、M7クラスの大地震の直前でも、20〜30分前の時点で電離圏異常を検知できる」と話しており、今後は、どの程度の規模の地震まで予測可能かを掘り下げて研究していく予定だ。

 

 この研究成果は、米地球物理学連合の科学誌『Journal of Geophysical Research ‐ Space Physics』に掲載された。

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