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熊本「井戸水のヘリウム量が変化していた!」地震予知へ役立つ可能性

 

 今年4月の熊本地震で、震源に近い断層の地下水に含まれるヘリウム量が、発生の前後で変化していた事実を、東京大学や京都大学などの合同チームが突き止めた。地下水の観測が、地震予知研究に結びつく可能性があるとして期待が寄せられている。

 

 この研究は、東大・大気海洋研究所の佐野有司教授と京大や熊本大、東北大などの共同チームが29日付の科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表した。

 

 チームは、地震発生直後の4月28日と29日、地震を引き起こした布田川断層帯や日奈久断層帯の周辺にある温泉7カ所で、深さ280〜1300メートルの井戸から地下水を採取。これらの井戸水は、別の研究グループが2010年8月に採取していることから、地震の前後で、地下水に溶けた気体がどう変化しているかを比較した。

 

 密閉した銅管に入った地下水から気体を抽出して、精製したヘリウムの濃度を測定したところ、震源断層に近い井戸水ほど、ヘリウム量の変化が大きいことが判明。

 

 井戸水に占めるヘリウムの割合が最も高かったのは、布田川断層帯の北東端に位置する大津町の温泉だった。次いで4月15日に発生した前震の震源地に近い御船町の温泉から採取した井戸水でも高濃度のヘリウムが観測された。一方、震源から20キロ以上北西に離れた玉名市や山鹿市平山の温泉では、地震前後のヘリウム濃度に大きな変化は見られなかったという。

 

 気球や飛行船が浮き上がる際のガスとして使われるヘリウムは、地球上で最も軽い希ガスで、岩石などの鉱物やミネラルウォーターに溶け込む性質がある。

 

 研究チームは、地震で破壊された岩石中のヘリウムが地下水に溶け出した可能性が高いとして、地下水のヘリウム濃度が、地殻変動の観測に役立ち、将来の地震予知につながる可能性があると話している。

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