歴史

防災歳時記6月30日 ツングースカ大爆発

 今から105年前、1908年の今日6月30日、ロシアの中央シベリア上空で謎の爆発が起こり、地上の森林が半径約30キロにわたって炎上。東京ドーム46個分の樹木がなぎ倒されるという事象が発生した。

 

 現場付近を流れる川の名前から命名された、この出来事を「ツングースカ大爆発」という。

 

 現代で、ロシア上空の爆発と言えば、今年2月15日のチェリャビンスク州に落ちた隕石を真っ先に思い浮かべるかもしれない。しかし、ツングースカ大爆発については、隕石が原因とも言い切れないから興味深い。

 

 爆発が起きたのは6/30の早朝。半径50-100mの大きさの「何らかの天体」が地上から高度5-10kmのところで閃光を放ち、辺り一帯を破壊した。

 

 その衝撃エネルギーは、推測で広島型原爆2000発分に相当。強烈な光は、数百キロ離れた地点でも確認されたほどだった。

 

 今ならばTwitterやfacebookで大騒ぎとなり、Youtubeにも動画が掲載され、ネット上はお祭り騒ぎだったであろう。

 

 が、爆発が起きて最初の調査が行われたのは、実に16年もの月日が経過した1921年のことだった。

 

 当時のロシアは、1904年の日露戦争、1914年の第一次世界大戦を経て、1917年の二月・十月革命からソビエト連邦へと移行する国の過渡期であり、謎の爆発のことなどかまってられなかったのだろう。

 

 その調査で出された結果は「原因は不明」であった。

「何らかの天体」とは一体なんぞや?

 

 小惑星やその破片などの隕石であれば、地上にクレーターを作ったり、鉱石などの証拠が見つかったりする。が、ロシア当局の研究者が100年以上探しても、その破片は一つも発見されていない。

 

 軌道を外れた彗星の爆発説。これも、隕石と同じく、地球上に何らかの帯同物質が落ちて来なければならず、一つも見つかっていない。

 

 隕石や彗星でなかったら、本当になんだというのか。まさか…UFO…?

 

 理解不明の出来事を超常現象に結びつけたがる人は少なくないが、ツングースカ大爆発にいたっては「地中に埋もれていた超古代文明の武器が炸裂した」などというトンデモ説まで流れた。

 

 しかし、このトンデモ説も、まんざら荒唐無稽ではないのが面白い。

 

 というのも、数百万トンから数千万トンのガスが地上の割れ目から噴きだして爆発すれば、ツングースカ大爆発のような事象がありえないこともないそうだ。欧州の天然ガス事情を牛耳るほど埋蔵量のあるロシアならば、頭から否定はできない話である。

 

 今、アメリカでは石炭や石油の需要が大幅に減り、猫も杓子もシェールガスという、一種のバブルが起きている。

 

 一方、ロシアでは、そのしわ寄せによって、これまで大きな輸出品目であった天然ガス相場が下落し、大いに頭を悩ませているという。

 

 安価で豊富なシェールガスは今後も世界に拡散し、アメリカの影響力が増していくのであろう。ロシアの「武器」は、もう欧州を制覇できるほどの爆発力は残されていないかもしれない。

 あなたにオススメの記事