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しゃっくりが5日止まらない!35歳男に医師が下した診断は?

 しゃっくりが止まらないツラさは誰しも覚えがあるもの。とはいえ、それが5日間絶え間なく続くとなれば、問題は別だ。

 

 英国医師会が発行する医学誌『BMJ-ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』に、米ニューヨーク州のノースウェルス健康医療センターに昨年、しゃっくりが止まらなくて3度にわたって搬送された35歳の男性患者の症例が報告された。

 

 以前の2回の受診時には、日本では劇薬に指定されている抗精神病薬を処方されて帰宅したが、今回は左足が動かなくなるなど、体の左側に麻痺などの異常が生じたため、急きょ脳内のCTスキャンとMRI検査を受けることになった。

 

 画像検査では特に異常は発見されなかったが、その後もしゃっくりは止まらず、とうとう視野がぼんやりし、発熱もないのに寝汗が止まらず、食べたものを吐き出す嚥下障害まで起きた。

 

 救急搬送された病院で、首の後ろの脊髄(せきずい)に水たまりのような袋状の嚢胞ができていて、これが横隔膜を支配する神経を圧迫することでしゃっくりを発生させていることが判明した。

 

 医療チームによると、「血管芽腫」という珍しい腫瘍で、脳腫瘍を引き起こす原因の1.7%がこの病気にあたるという。たいていは小脳に形成されて、大きくなった嚢胞が原因で脳に水(髄液)がたまり、水頭症を引き起こすケースが多いが、この患者の場合は脊髄で見つかった。

 

 緊急手術で嚢胞を取り除いた男性は、術後1日目で歩行可能になり、4日目には無事退院できた。その後の経過観察でも、異常は見られないという。

 

 血管芽腫自体は良性の腫瘍だと言われているが、たかがしゃっくりと侮ることなかれ。何日も続く場合は、脳神経外科の病気を疑う事態に発展することもあるかもしれない。

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