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サルがシカに求愛行動 屋久島で目撃される 異種間交尾は世界2例目

 「仲良きことは美しきかな」とは、武者小路実篤の有名な言葉だが、鹿児島県屋久島でオスのニホンザルがメスのシカの背中に乗って交尾を試みる「珍しい性行動」がとらえられた。

 

 日本モンキーセンターが発行している学術誌『プリマーテス』に10日付で発表された論文によると、帝京科学大学の島田将喜准教授やフランスのストラスブール大学などの調査グループは2015年、屋久島に生息するニホンザルの生態調査を実施した。

 

 屋久島では西部を中心にニホンザルの亜種である「ヤクシマザル(ヤクザル)」の生息が確認されており、1989年以降、群れの分布調査が行なわれている。本土のニホンザルと比べると、小型でずんぐりしていて手足が黒く、これまでの調査で9500〜1万9000頭の個体の生息が確認されている。

 

 2015年10月〜11月にかけて現地調査を行ったチームによると、11月6日に1匹のオスザルが異なる2頭のメスジカの背中に乗って交尾しようと試みているようすがとらえられた。サルは体高の違いから実際の交尾には至らなかったものの、1頭目のシカでは、腰を動かす行為が確認され、2頭目のシカからは、断固拒否されたという。

 

 調査チームの報告によると、このサルは極めて健康状態が良く、ほかのオスザルが近づいたときには、シカを「守る」ように敵を追い払う行動も示したとされる。

 

 過去の研究で、ヤクシマザルの発情シーズンは11月上旬だということが確認されている。今回調査したチームは、交尾相手にあぶれたオスが、繁殖期に急増するホルモン量が引き金になって、身近な存在のシカに求愛行動をとった可能性があると分析している。

 

 調査チームによると、異種間交尾に関する研究は、2008年に発表された、オットセイがキングペンギンとの交尾を試みた南極の事例が初めてで、今回は2例目だという。

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