政治

オバマ大統領 退任前の最後の演説「Yes We Did」−我々は成し遂げた

 今月20日に2期8年の任期を終える米国のオバマ大統領は日本時間11日(現地時間10日夜)、地元シカゴで最後の演説を行った。

 

 大統領の退任演説はホワイトハウスで行われるのが一般的だが、オバマ大統領は「すべてが始まったルーツに戻りたい」として、若手弁護士として貧困層の救済に取り組んだ政治の原点であるシカゴを演説会場に選んだ。

 

 オバマ大統領の就任は2009年1月。前年の9月に発生した「リーマン・ショック」で、世界的な金融危機に陥るなかで波乱に満ちた船出だった。

 

 大統領は演説のなかで、就任以後に着手した「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度改革の実績などを掲げ、「2000万人もの国民が医療保険の権利を得た。政権発足当初に比べて、失業率も大きく改善し、米国はほとんどすべての分野でより良く、力強い国家に成長した」と強調。

 

 さらに外交分野では、キューバとの半世紀ぶりの国交回復をはじめ、「1発も発射することなく、イラクの核兵器開発計画を止めさせた」と軍事的手段ではなく、外交努力で問題解決の糸口をつけたと述べた。

 

 その一方で、移民などあらゆる人種や経歴を持つ人々が集まる多様性こそが、建国以来の米国の強みだと訴えて、「我々は恐怖に打ち勝たなければ、民主主義は崩壊する」として、トランプ次期大統領が繰り返している不法移民の強制撤去や、イスラム教信者の入国禁止などの排他主義的主張に強い懸念を示した。

 

 演説の最後には、自身の選挙スローガンだった「Change」を引き合いに出して、「信じてほしい。私が変化をもたらすのではなく、あなたたち自身にその力があるのです」と聴衆にエールを送り、「Yes We Did(私たちは成し遂げてきた)、Yes We Can!」と締めくくった。

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