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雪崩発生のイタリア「地震のせいじゃない」専門家が指摘

 昨夏、マグニチュード(M)6.2の地震に見舞われたイタリア中部では、18日に相次いだM4〜5強の地震で雪崩が発生し、宿泊客がいるホテルが巻き込まれた。救助活動が進む現地では当初、「地震が雪崩を誘発した」との見方が一般的だったが、ここへきて、原因はそうではない可能性が浮上してきた。

 

 イタリア国立山岳救助隊(CNSAS)によると、雪崩の下敷きになったのは、イタリア中部アブルッツォ州アペニン山脈に位置するホテル・リゴピアノ。地震の震源からは90キロほど離れた山岳地帯に立つが、19日に発生した雪崩の衝撃で10メートル押し流され、2メートル近い雪の中に埋もれている。

 

 地元メディアの報道によると、雪崩発生当時、ホテルには従業員を含め34人が宿泊。これまでの救助活動で、2人が遺体で発見、別の2人が低体温症で救急搬送された。

 

 当初、専門家の間では、前日18日にイタリア中部で相次いだM4.6〜5.7の6回の地震が雪崩を引き起こした可能性が高いという見方が大勢を占めたが、雪崩が地震発生後の2時間後に起きたことから、この意見に異を唱える研究者も出てきている。

 

 そのうちの一人、米モンタナ州立大学氷雪雪崩研究所のジョルディ・ヘンドリックス教授は、雪崩が巨大地震によって誘発される可能性を認めたうえで、今回の惨事について「通常、地震と雪崩はほぼ同時に発生するため、M5.1の地震の2時間後には起こりえない。地震が原因とみるのは短絡的で、むしろ雪嵐の観点から検討すべきだと思う」と述べている。

 

 日本でも毎年1〜3月にかけて発生する雪崩は、すべり面の違いで「表層雪崩」と「全層雪崩」に分けられる。表層雪崩は、圧雪された積雪面に降り積もった新雪が滑り落ちるタイプで、気温が低く、降雪が続く1〜2月の厳寒期に発生することが多い。これに対して、全層雪崩は、斜面の固くて重い雪が地表面を滑り落ちる春先の雪解け時期に起こる。

 

 ヘンドリックス氏は、イタリアで雪崩が発生する前の数日間で90センチを超える大雪が降っていたことに着目して、今回のケースは表層雪崩と指摘したうえで、一気に降った大雪によって積雪面が不安定になったのではないかと考察している。

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