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20年間めまいに苦しむ24歳女性 小脳がないことが判明 中国

 中国北部・山東省に住む女性は、1カ月嘔吐が続いてために入院先で受けたCTスキャン検査で、24歳になるまで知らなかった事実を聞かされてショックを受けた。大脳の後ろにあるべき小脳がすっぽり欠落していたのだ。

 

 英オックスフォード大学が発行する脳神経医学誌『ブレイン』に紹介された症例によると、山東省の中国人民解放軍総合病院に入院した24歳の既婚女性は、CTスキャン検査の結果、生まれつき小脳が完全に欠落していることが判明した。

 

 論文によると、この女性は1カ月間、ずっと吐き気と嘔吐が止まらなかったことから母親に伴われて受診。問診でめまいが20年以上続いていて、歩くときにヨロヨロすることが明らかになった。

 

 さらに、母親からは4歳まで二本足で立つことができず、歩き始めたのは7歳になってから。6歳になるまで話すことができなかったので小学校へ入学しないまま24歳まで家族と過ごし、結婚して娘を一人出産した経験もあるという。

 

 4人の姉妹と1人の男兄弟がいるが、誰一人として異常はなく、患者本人もかすかな震えや言葉の発音のしにくさはあるものの、歩行障害とめまい以外は、問題なく生活できるレベルだという。

 

 人間の脳の中で最も重要なのはもちろん大脳だが、その10分の1ほどの大きさの小脳には、大脳よりもはるかに多い神経細胞が詰まっていて、その主な役割は知覚と運動機能の調節を担っている。

 

 事故などで小脳が損傷されると、運動や平衡感覚に異常をきたし、重度の運動障害やてんかんなどを引き起こすケースがあるが、この患者の場合は、生まれつき小脳を持っていないことから、担当医は「小脳機能の不足分を、脳のほかの部分が補うために発達を遂げた極めて珍しいケースだ」と述べて、大脳皮質が小脳の機能を引き継いでいる可能性を指摘している。

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