宇宙

日本の「おりがみ」 人工衛星のラジエーターへ NASAが開発

 米国のオバマ前大統領が昨年広島を訪れた際に、千代紙で作った折り鶴を原爆資料館に収めたニュースは記憶に新しいが、日本生まれの「おりがみ(Origami)」が今、米航空宇宙局(NASA)が開発中の人工衛星の熱を冷ますラジエーターに採用されようとしている。

 

 おりがみ技術を使ったラジエーターの開発に挑んでいるのは、米ブリガム・ヤング大学のブライアン・アイバーソン助教授らと、NASAゴダード宇宙飛行センターのチーム。

 

 地球の大気圏の外は空気がないため、太陽光があたる衛星表面は熱を吸収しやすく、太陽光があたらない面は熱が逃げていくことから、衛星の寿命を伸ばすためには、熱設計が重要な鍵となる。

 

 そこで研究チームは、銀とチタンの化合物である紙のような薄いシートを三次元に折りたたむことで、衛星内にこもった熱を放射したり、一定温度に保つための調節装置の開発に取り組んでいる。

 

 一枚のシートを折りたたむことでコンパクトになったり、展開する「おりがみ」の手法は、東京大学の三浦公亮名誉教授が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所に在籍していた1970年代に考案し、すでに人工衛星の太陽光パネルに採用されているが、ラジエーターに採用されるのは今回が初めてだという。

 

 ブリガム・ヤング大学の研究チームは「おりがみ技術は、表面構造を簡単に変えられるので、熱の放射や保温を行うラジエーターには非常に適しています」と話し、きょうも性能試験を続けている。

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