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原発事故で立ち入れない双葉町に残る7世紀の装飾古墳 東北大が計測

 東京電力福島第一原発から3キロ圏内にある福島県双葉町に残された7世紀の装飾古墳を、東北大学の研究チームが三次元スキャナーで計測した。原発事故で帰還困難区域に指定された同地域の貴重な歴史的文化財として保全し、未来へ継承するための記録だ。

 

 東北大・学術資源研究公開センター総合学術博物館のチームは今月9日と10日の二日間、双葉町の協力を得て、国史跡「清戸迫横穴(きよとさくおうけつ)」で三次元計測を実施した。

 

 双葉町立南小学校の敷内にある清戸迫横穴は、7世紀前半に作られた300基以上ある横穴墓群のひとつ。南東方向に入り口があり、全長2.6メートル、幅2.6メートルの玄室の壁には、赤い顔料で大きな渦巻き模様が描かれ、その左右には帽子をかぶった二人の人物や、乗馬した人物、弓を射る人や鹿や犬などの動物が見られる。1968年に国の史跡に指定されているが、渦巻き模様の意味をめぐっては半世紀近く経った今も解明されていない。

 

 原発事故以来、立ち入りや補修ができない状態で、電気が供給されていないので、古墳内の温度や湿度などのデータ送信は途絶えたまま。

 

 総合学術博物館では、これまでも東日本大震災の震災遺構の三次元デジタル測量やバーチャル展示計画を進めてきたが、今回はドイツ製の高性能なスキャナーを使って防護服に身を包みながら、古墳内の壁面の凹凸ひとつひとつを丁寧に計測した。

 

 博物館の藤沢敦教授は「原発事故で従来のような一般公開が不可能な今、詳細な三次元データを記録して将来の万一の事態に備えることは、貴重な文化財の保全と継承のために重要だ。今回計測したデータを使って、原子力災害で困難な状況に置かれている双葉町のためにバーチャル展示を行いたい」と話している。

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