地震

熊本地震で止まった温泉「断層の水平移動が原因だった!」九州大

 昨年4月の熊本地震の後に、熊本県阿蘇市の温泉で一時的に湯が出なくなったのは、地下の断層が水平方向に1.5メートルほどずれ動いた影響で井戸が壊れたのが原因だったと、九州大学の研究グループが21日に発表した。

 

 熊本県阿蘇市の内牧温泉では、昨年4月に起きた熊本地震の後に温泉が出なくなった。温泉の一部の井戸では、地下水が勝手に湧き出てきたり(自噴)、周辺で大きな地割れが見つかったことから、温泉源が枯れたのではないかと懸念されていた。

 

 九州大カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の辻健准教授らのグループは、地球観測衛星のデータを使って、内牧温泉周辺の地表を調べ、約2キロにも及ぶ地域が、北西の阿蘇外輪山方向に1.5メートルほど水平移動していることを突き止めた。

 

 さらに、温泉が止まった井戸に特殊なカメラを入れて内部を調べたところ、深さ50メートル付近で湯をくみ上げるパイプが折れ曲がるなど変形していることがわかった。

 

 内牧温泉は地震を引き起こした布田川断層帯から十数キロ離れていて、深さ50メートルほど地下には、温泉の熱源から湧き上がった湯が溜まる地層があり、その上は粘土質の層になっている。

 

 地震によって上の層が水平方向に滑り、内部の水圧が高まったことで液状化が起きて、湧き水や井戸の自噴が発生したものの、地下の温泉源には問題がなく、掘削し直せば再び湯が出ることも判明した。

 

 辻准教授は、「地震の被災状況を見て、研究者として貢献できないかという気持ちに駆られて研究を始めた。傾斜のない場所で水平方向に地層がずれる現象は、これまでに前例がない」として、今後も調査を続けていく方針だ。

 

 なお、この研究成果は、国際科学誌『サイエンティフィック・リポーツ』電子版に20日付けで掲載された。

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