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乳酸菌「シロタ株」宇宙へ…ISSの飛行士で世界初の腸内実験

 今や乳酸菌も宇宙へ飛ぶ時代…。日本人微生物学者が発見した「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」は、日本人なら一度は耳にしたことがある乳酸菌のひとつ。

 

 ヒトや動物の腸に生息している腸内細菌は、種類が約3万種類にも及び、腸の内部を広げると、生息数はテニスコート1面分に相当すると言われることから、お花畑にたとえて「腸内フローラ」とも呼ばれる。

 

 そのうち、善玉菌の一種であるシロタ株は、ビフィズス菌に比べると生息数は少ないが、胃液や胆汁などの消化液にも負けず、悪玉菌を退治して免疫機能を維持・向上させることを通じて、腸内環境を改善する役割がある。

 

 シロタ株を使った乳酸菌飲料で知られるヤクルトでは、2014年から宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、宇宙時代を見越した生命科学の一環として、無重力空間である国際宇宙ステーションで乳酸菌を摂取した場合の腸内環境や免疫力の変化について研究を行っている。

 

 昨年4月には、常温で長期保管できるよう、凍結乾燥させたシロタ株入りのカプセルを開発し、米国のドラゴン補給船で国際宇宙ステーション(ISS)に運んで、無重力空間で保管することで、乳酸菌の数がどう変化するか比較する実験を行った。

 

 このカプセルは宇宙へ飛ぶ前に地上で約9カ月、宇宙で約1カ月間保管したものだが、宇宙から戻って成分分析を行ったところ、シロタ株の数は、地上にあったサンプルと遜色なく生き残っていることが確認された。

 

 そこで、今年度は第2弾として、ISSに長期滞在する宇宙飛行士にシロタ株を継続摂取してもらうことで、免疫機能や腸内環境にどんな影響があるのか科学的に検証する世界初の人体実験を始めることになった。

 

 JAXAは、「実験を通じて、宇宙飛行士の健康を維持し、パフォーマンスを最大限に発揮させるだけでなく、地上での応用にも結びつく“究極の予防医学”とも言われる宇宙医学の発展に貢献していきたい」とプロジェクトの意義を強調している。

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