歴史

防災歳時記7月6日史上最悪の人災 北海油田爆発事故

 今から37年前、1976年の今日7月6日に、北海油田で爆発炎上事故が発生した。

 

 事故が発生した石油生産プラットフォーム「パイパー・アルファ」では当時229人が働いていたが、このうちの167人が死亡するという、油田開発史上最悪の事故となった。

 

 この事故には、2つの大きな「人災」が存在していた。

 

 このパイパー・アルファにはA、B2つの液体炭化水素を送るポンプがあった。事故当日、ポンプAは、定期点検のため「安全弁」を取り外されていた。

 

 しかし監督責任者が忙しそうにしていたため、担当技術者はその事を直接報告せず、メモだけを残した。だが、そのメモはなぜか紛失し、「点検未実施」との書類だけが残った。

 

 そんな時に、不幸にもポンプBが故障する。監督責任者は「点検未実施」の書類を見て、すぐにポンプAを起動させた。

 

 その瞬間、大爆発が起きた。火はあっという間に石油の配管も損傷させ、コントロールルームも破壊、避難指示をすべき人の大半は、その時点で死亡していた。

 

 さらに被害を拡大させたのは、他の2つの石油生産プラットフォームからも、このパイパー・アルファに原油が送られていたこと。

 

 火災が発生しても、原油はパイパー・アルファに送り続けられていた。操業を一度停止すると再稼働に数日かかり、大きな経済的損失が出るとの会社の判断だった。

 

 北海の強風と火と煙によって、救助用ヘリも着陸できないまま火は燃え広がり、人々はそのまま焼死するか、北海の荒波に飛び込むしかなく、多くの命が犠牲となった。

 

 人は往々にして判断を間違える。だからコンピュータなどの機械に頼る。しかし福島第一原発事故を見ても明らかなように、万全だと思って設計しても不十分なことはある。

 

 機械も人間が作るもの。人間の知恵にはやはり限界がある。

 

 万が一の事態に、被害を最小限にする最良の方法は、日頃から自分たちの至らなさに謙虚に向き合い、備えることしかないのか。

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