歴史

キリストが両親と暮らした家?イスラエルのナザレで見つかる

 英国の考古学チームが、イスラエル北部のナザレでイエス・キリストが聖母マリアや父ヨゼフとともに暮らした家を特定したと考古学誌に発表した。

 

 聖書を研究する考古学誌『Biblical Archaeology Review』によると、英レディング大学のケン・ダーク教授らが率いる調査チームは、2004年〜2010年にかけてナザレの北北西6キロ付近に位置するナハール・ジッポーリ地区を調査。

 

 その結果、かつて「セポリス」と呼ばれていたこの谷で、古代ローマ時代初期の遺跡を発見し、ユダヤ人が陶器を輸入するための船を作っていたことを突き止めた。

 

 調査チームによるとキリストの家は、イエスの死後、東西に分かれたローマ帝国の東にあたるビザンチン帝国時代にはモザイクタイルで装飾され、さらにその上に教会が建てられたという。

 

 13世紀に東ローマ帝国を陥落させた十字軍は、荒廃した教会を建て直したが、教会の地下にあるキリストの家は、1880年代に修道女によって発見されるまで葬り去られた存在だった。半世紀後の1936年、イエズス会の司祭が重い腰を上げて追跡調査を行ったものの、結果を公表せずに死亡。修道院が2006年にケン・ダーク教授らのチームに再調査を依頼するまで、誰の記憶からも忘れられていたという。

 

 発掘調査の結果、1世紀に建てられたキリストの家は、丘陵地帯から谷に向かって傾斜するように建てられていて、石造りの壁が残り、内部には穴の開いた調理道具や糸巻きなどのほか、ユダヤ人が家に飾る石灰岩で作った船の飾りが見つかった。

 

 ダーク教授によると、この家は2世紀になる前に空き家となり、集落全体が採石場として使われるようになった。3世紀頃には墓地と教会が建てられたものの、ビザンチン帝国時代に装飾用のモザイクタイルで飾られた形跡を見ると、当時の人たちも、イエスが両親と暮らした聖なる場所だと認識していたのではないかと推測しているという。

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