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完成まで1日!3Dプリンターで建てた家 仮設住宅にも応用可

 モスクワ郊外に昨年末、3Dプリンターを使って建てた家が完成した。建築にかかった時間はわずか24時間。38平方メートル、畳20帖余りのコンパクトハウスは、世界初の3Dプリンター製だという。

 

 上空から見ると、まるで風車のような形の家を建てたのは、建築専門の持ち運び可能な3Dプリンターを開発した「Apis Cor(アピス・コア)社」。

 

 これまでにもさまざまな企業や研究機関が、3Dプリンターで家を作るプロジェクトに挑戦してきたが、多くが、あらかじめプリントアウトした部材を現場に持ち運んで組み立てるというもの。

 

 これに対してアピス・コア社は、建設現場にプリンターを持ち込んで、建物全体を基礎から屋根までその場で印刷。現場は、ロシアの首都モスクワから60キロあまり南に位置する街ストゥピノ。工事は、白く凍った雪で覆われた氷点下35℃の昨年末に実施されたのだが、プリンターに使われるコンクリート混合材は、気温5℃以上の環境でしか使えないため、特殊な断熱テントの中で作られた。

 

 外壁と内壁の間は発泡断熱材を充填することで、高い断熱性や気密性を実現するとともに、屋根には雪の重みにも負けない耐荷重性の優れた素材を使用。仕上げに塗られた黄色い塗料は、住居内の湿度を外に逃がす役割も果たす。

 

 窓ガラスには、今回使った建築資材の中で最も値が張ったという断熱性の高いペアガラス(複層ガラス)を採用。二枚の板ガラスの間を真空状態にしたもので、外光を採り入れ、断熱性も高い快適な空間が生まれた。

 

 気になる建設費用は、1平方メートルあたり約3万円(275ドル)、総工費115万2300円(1万134ドル)だというから、お国の違いはあるとしても激安だ。

 

 費用には、基礎工事から屋根、内・外装仕上げ、壁、床、天井、窓に断熱材の設置など、1軒丸ごと建てるためのすべての費用が含まれており、一般的な住宅に比べて建築コストが半分近く抑えられる。

 

 技術が実用化されれば、一般住宅はもちろん、被災地での仮設住宅にも応用できそうなので、極東の日本からも注目したい。

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