健康問題

「ビールの苦み」でアルツハイマー予防 マウスの実験で確認 東大

 高齢化社会が進むにつれて、認知症が社会問題となるなか、東京大学をはじめとする共同研究グループは、ビールに含まれるホップ由来の苦味成分が脳内の老廃物除去を進め、炎症を抑制して認知機能を改善する効果があることをマウスの実験で確認した。

 

 現在、日本では460万人、全世界では2400万人近くの高齢者が認知症を患っているが、有効な治療法や予防法はまだ開発されていない。

 

 そうしたなか、東大大学院の中山裕之教授などの研究グループは、ビールの苦味成分であるホップが、古来から薬用植物として利用されてきた点に注目。

 

 グループは、アルツハイマーの症状が進行するよう遺伝子操作したマウスを対象に、ビールの醸造工程でホップからできる「イソα酸」を混ぜたエサを3カ月間与えた。

 

 その結果、エサを与えたマウスの脳内では、与えられなかったマウスに比べて、アルツハイマーを引き起こし、進行させる原因となる「アミロイドβ」の量が低下。脳内の異物や老廃物を除去する免疫細胞の機能が良くなって、記憶を司る海馬の神経細胞が増加し、認知機能が改善されることを確認した。

 

 グループは「赤ワインに含まれるポリフェノールなど、お酒が認知症の予防に役立つことが知られていたが、ビールについては研究が進んでいなかった。今回の実験によって、適度な量のビールやノンアルコールビールを飲むことがアルツハイマー病の予防につながる可能性があることが示された」と話している。

 

 なおこの研究成果は、米国生化学分子生物学会が発行する『ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー』電子版に掲載された。

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