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パンダの白黒模様の秘密 米国の行動生態学者が解明

 東京・上野動物園のパンダで4年ぶりに交尾が確認され、ベビー妊娠のニュースが期待されている。そうしたなか、長い間、世界中の研究者を悩ませていた「パンダの白黒模様の謎」を、米国の動物生態学者が解明した。

 

 色鮮やかな羽を持つ鳥や昆虫、魚類と違って、野生の哺乳動物の体の色は、敵の目につかないよう、周囲の環境に溶け込むグレーや茶色などがほとんどだが、パンダは例外とも言える唯一無二の姿で人々に愛されている。

 

 オックスフォード大学が発行する専門誌『Behavioral Ecology』に掲載された、米カリフォルニア大学デービス校のティム・キャロ教授と、カリフォルニア州立大学の共同研究グループは、パンダと同じ39種類のクマ科の動物と195種類の肉食動物を対象に、動物の生息環境や行動生態を比較し、毛の色が果たす役割を分析。

 

 その結果、パンダの顔や首、お腹、お尻などの白い部分は、冬の間の雪山で敵から身を隠すため、肩や腕、足の黒い部分は日陰での保護色としての役割を果たしていることを突き止めた。一方で、目の周りは、個体によって少しずつ表情が異なることから、お互いを認識する個体識別のためであり、耳の先の黒い部分は、敵への威嚇に役立っているという。

 

 現在、四川省を中心に標高2000〜3000メートルのごく限られた地域に生息するパンダは、成長すると体重が平均86〜107キロと、大型の肉食動物並みにもかかわらず、主食は竹と笹ばかり。草食動物だと思われがちだが、クマ科に分類される肉食性が強い雑食動物の仲間だ。

 

 研究チームは「腸内を調べた研究では、食物繊維を効率良く消化するための腸内細菌も持っていないことが判明しており、そのため竹と笹だけでは十分な栄養素も摂取できないので、冬眠せずに一年中野山を歩いて、エサを探す生活を続けるなかで、白と黒の特殊な毛色に進化したのではないか」と推測している。

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