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ペンだこ?と思ったら…中指の骨が1年で巨大化 中東25歳男性

 育ち盛りの十代の男の子に比較的多く見られる、軟骨が盛り上がるように成長する「骨軟骨腫症」。中東サウジアラビアでは、25歳の男性の手指が急激に成長し、放っておくと手指を曲げ伸ばす腱が破裂する寸前にまで達する事態に及んだ。

 

 国際的な外科手術の専門誌『International Journal of Surgery Case Reports』によると、サウジアラビアのリヤドにあるキングサウード大学の医学研究センターの外科医、モハメッド・M・アル・カタン医師のチームは、大人では極めて珍しい右手の中指が巨大化した男性患者を治療した。

 

 25歳の患者は、最近中指の関節にできた巨大なできものに悩まされていた。当初は筆記用具を持つ部分にできるペンだこかと思っていたが、次第に指が曲げにくくなり、できものの大きさは1年間で3センチ近くまで巨大化。中指と人差し指をくっつけ合うこともできなくなった。

 

 痛みや知覚障害は感じないのでここまで放置していたのだが、家族からの強力な勧めにより、とうとう病院の門戸を叩いた。

 

 レントゲン検査を行ったところ、中指の骨が25度ほどの角度で折れ曲がり、第二関節の軟骨が3倍近くまで膨れ上がって、石灰化しているのがわかった。

 

 骨軟骨腫は、成長期の十代に多く発症し、手指だけでなく、骨盤や肋骨、すねなどにできるケースもある。体の一部にできる単発性と、さまざまな場所にできる多発性の二種類があって、多発性の場合は九割近く遺伝性のものだという。

 

 日本の小児慢性特定疾病情報センターによると、2010年度の調査で国内では370例の症例が登録されているが、実際には医療機関を受診していないために診断されていないケースもあることから、発症頻度はより高いと考えられている。

 

 アル・カタン医師は、関節が変形したり、再発するリスクを説明したうえで、腫瘍を切開し、軟骨のコブを切除する手術を行った。細かい神経やさまざまな筋肉や腱が集中している指の手術は一度だけでは済まず、1カ月かけて、段階的に行われた。

 

 幸い、手術は成功して直角にしか曲げられなかった関節の運動範囲は広がり、骨の屈曲は改善され、指の感覚にも問題は起きておらず、術後8カ月過ぎても再発していないという。

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