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旅カメラ必携の最強アタッチメント「Peak Design」

旅先でデジイチが使えないわけ

 写真撮影を生業の一部にしていたりすると、ツレから「今度の旅行ではステキな記念写真を撮ってよ」とせがまれたりもする。

 

「OK、分かった!」と爽やかに答え、商売道具のデジタル一眼レフ(本当はOLYMPUS E-M1なのでミラーレスだが)をリュックに放り込んで仲良く旅に出る。

 

しかし旅から帰ってみると、デジイチで撮った写真はほとんどなく、パートナーが撮ったスマホの写真ばかり。

 

一体どうして?…いや、理由は至って明快。美しい景色を堪能している最中に、いちいちリュックから重いデジイチを出すのがめんどくさかったからだ。

 たまに「あっ、この瞬間を切り取りたい!」と中途半端なプロ意識が頭をもたげても、リュックからのろのろとデジイチを取り出したころには、たいていの場合シャッターチャンスをとっくに逃している。

 

「いつでも撮れるように首からストラップでカメラをかけてればいいじゃないか。」って?

 

勘弁してください。

 

本格的なデジイチはボディの重量だけで1キログラム以上、首が凝ってしょうがないし、カメラを胸元でブラブラさせながらの観光は、なんともじゃまで、かつ美意識にも反する。

 

ましてやアウトドア(登山)だったりしたら、それこそ傾斜のきつい岩場でブラブラしたカメラをぶつけてしまうという大惨事すら引き起こしかねない危険な行為。

 

そんなことになればココロもお財布も遭難してしまう…

Peak Design キャプチャープロ

 そんな筆者が、旅先で決してシャッターチャンスを逃さない、気の利いた「カノジョ専属カメラマン」にめでたく生まれ変わった理由は「Peak Design」(ピークデザイン)という米国発ベンチャー企業が開発した「キャプチャープロカメラクリップwith PROプレート CP-2」に出会ったからに他ならない。

 

なんで今までこれに気づかなかったんだ!

 

世界のデジイチのほとんどのシェアは、NIKON、キャノンを筆頭とする日本企業で占められている。

 

そんな日本でなぜ、この発想がなかったのか?

 

カメラという重量物を身にまとう最善の方法は首かけストラップ

 

国内メーカー各社は100年の長きにわたって、こんな呪縛にとらわれていたのか…

 

「キャプチャープロ」の原理は、カメラと三脚をワンタッチで付けたり外したりする、写真愛好家にはおなじみの部品、「クイックシュー」とほぼ同じだ。

 

クイックシューはカメラのお尻にプレートをネジ止めし、三脚の頭部にそのプレートがカチンとワンタッチではまるクイックシューアダプターを付ける。

 

「キャプチャープロ」は単に、「クイックシューアダプター」的な部品をリュックのショルダーストラップやパンツのベルトに取り付けられるようにしただけ。

 

たったこれだけで、お尻にプレートをネジ止めしたカメラはブラブラせず、体に密着した状態でホールドすることができる。

 

イメージとしては腰や胸のホルスターに拳銃をしまった近未来のガンマン状態。

 

「早撃ちマック」(古すぎる…)よろしく、瞬時にカメラを取り外し、照準を定めることが可能になる。

 

詳しくはコチラのかっこいい動画も参照していただきたい。

 

クラウドファンディング発の大発明

「キャプチャープロ」を使うと、便利なことはもちろんだが、その撮影スタイルも変わる。

 

(「撮影スタイル」とは「撮影手法」のことではなく、まさに「見た目」だけのはなし)

 

首からカメラをぶら下げた、いわゆる「カメコスタイル」でフラフラ山道を歩いているおっさんが、スタイリッシュな「その道のプロ」(何の道かはよく分からないが…)っぽいイメージに変貌することも素晴らしい。

 

「たったこれだけ」と前述したが、すべてのことは「コロンブスの卵」。

 

このスゴい発明をしたピークデザイン社の創業者は、もともと建築会社で働く一般人だった。

 ある時、日本製デジタル一眼レフをプレゼントされ、大好きな旅行に持っていくようになるが、いちいちカメラバッグから出し入れしなければいけないもどかしさを何とか解消したいと思い立って、2011年に米クラウドファンディング「kickstarter」で資金を募集、あっという間に目標額をクリアして同製品の発売に漕ぎつけた。

 

元は同じ「めんどくさがり屋」でありながら、いつまでも大切な旅の思い出を切り取ることができず、ツレに怒られているだけの筆者と、世界を変える大発明ができる人間の違いはまさにコレである。

 

ちなみにピークデザイン社の社員はすべて「カメラ好き」で、全員が同社の製品を日頃から使って改良にいそしんでいるとのこと。

 

昨今の日本企業から失われている「企業の原点」(プロジェクトXや高度経済成長期の企業ドキュメンタリーなんか見ていると感じるアレ)を見るようで、そのスピリットが心に滲みる…

付け外し自由の画期的ストラップ

 ピークデザイン社は、キャプチャープロ以降もクラウドファンディングを使って新製品を次から次へと発表しているが、そのうちの一つが「ストラップ」。

 

「早くも原点回帰か?」と思われたが、これまた「痒い所に手が届く」、本当のカメラ好きならではの視点が盛り込まれたスグレモノだった。

 

デジタル一眼レフ(高級ミラーレス機も含む)を買った経験があればご存知だろうが、包装を開けると付属品として付いてくるメーカーのロゴが入ったストラップ。

 

新しいカメラを手にいれたという所有欲と満足感もあいまって、いそいそとカメラボディのリングにメーカー純正ストラップを取り付けたりするが、これが後に禍根となったりする。

 大抵のストラップは簡単に取り外しができない仕組みになっているから、首からかけている時は良いものの、三脚に取り付けたり、レリーズを使ったりすると、途端にストラップが邪魔でしょうがないが、もうどうすることもできない。

 

当たり前だが、写真を撮っているとストラップが必要な時もあれば、邪魔な時もあるのだ。

 

「簡単に取り外せるストラップがあればいいのに…」という、このまっとうなニーズに答えたのがピークデザイン社のストラップ。

 

その特徴は「アンカー」という「コイン型根付け」的フォルムの部品だ。

 

カメラボディのリングに固定するのはこの「アンカー」という小さな部品だけ。

 

ストラップは手首用(カフ リストストラップ CF-2)、首からかけるタイプ(リーシュ カメラストラップ L-2)など各種の長さのものが用意されているが、すべてアンカーの先に固定できるようになっているので、その時々によって付け外し自由になる。

登山カメラのオススメ活用法

 考えてみれば、キャプチャープロを使ってリュックのショルダーストラップにカメラを固定している時は、カメラストラップはブラブラして邪魔なだけの存在だが、いったんキャプチャープロからカメラを外すと、まったくストラップのないカメラを手だけで持っているのは、ちょっと心もとない。

 

そこで筆者の場合、登山の際にはこんな風に使っている。

 

カフ(手首用ストラップ)は、使わないときには手首にリストバンドのように巻いておける仕様になっているので、登山中ずっと手首に巻きつけておく。

 

カメラを使うとなったら、まずカフの先端をカメラのアンカーに装着し、その後、おもむろにキャプチャープロからカメラボディを外し撮影スタンバイ。

 

これなら撮影時にカメラを取り落とす心配もないし、通常状態でストラップが邪魔になることもない。

 

全くもってピークデザイン社の製品群は、「写真を撮る」という行為にまつわるエトセトラが考え抜かれていると言っても良いだろう。

真夏のレンズ交換は地獄の苦しみ

 さらにピークデザインには、売れない職業カメラマン(=カメラアシスタントなしの低予算な撮影がある人)やハイアマチュアに持ってこいの製品もある。

 

それは「CAPTURE LENS(キャプチャーレンズ)」。

 

予算潤沢な撮影なら、すぐ脇に気の利いたスレンダーなカメアシちゃんが控えていて、「レンズ交換したい」と思った瞬間に、どんぴしゃなレンズを装着したカメラを微笑みながらそっと渡してくれる。

(※注 妄想かなり混入済み)

 

これが低予算で一人だけの撮影となると結構大変だ。

 

特に真夏の暑い日に、砂埃が舞う屋外で、となるとレンズ交換は地獄の苦しみとなる。

 

初夏の京都・詩仙堂、名庭に向かい端然と正座するやいなや、構図も決まらないまま畳の上に交換レンズ群を行儀よく並べ、「結構なお手前で」とばかりにシュールな茶席のような状況を展開して、朝早くから訪れた上品な観光客のみなさんをギョッとさせていたのは、かくいう筆者本人である。

アシスタント要らずのキャプチャーレンズ

 こうした「一人レンズ交換」を究極に楽にしてくれる便利グッズが「キャプチャーレンズ」だ。

 

「キャプチャーレンズ」は「キャプチャープロ」のアタッチメントとして、腰のベルトやショルダーストラップなどに固定した「キャプチャープロ」に装着できるようになっている。

 

「キャプチャーレンズ」には、Canon用の「キャノン EFマウント CLC-C-1、NIKON用の「ニコン Fマウント CLC-N-1」、SONY用の「ソニー E/FEマウント CLC-S-1」と3社のレンズマウント径に合った種類があり、2本の交換レンズが装着できるようになっている。

 

(ピークデザイン社にオリンパス好きはいないのね…)

 

つまり、立ったままの状態でカメラボディからレンズを外し、腰のキャプチャーレンズ(前面)に装着。

 

そして今度はクルッとキャプチャーレンズを回して背面に固定されていた交換したいレンズを取り外してカメラボディに装着。

 

これでレンズ交換がいとも簡単に済んでしまい、気の利いたアシスタントも筆者の妄想も要らなくなる。

 

キャプチャーレンズの詳しい使い方はコチラの動画を。 

愛機と一緒に旅に出よう!

 ピークデザイン社は、その後もクラウドファンディング「kickstarter」で5.8億円を集め、彼らが最高と思えるカメラバッグ「エブリデイメッセンジャー(EVERYDAY MESSENGER))」を発表、さらに2016年末にはより容量の大きいバックパックタイプの「エブリデイバックパック(EVERYDAY BACKPACK)」(2タイプ)とトートバッグタイプの「エブリデイトート(EVERYDAY TOTE)」、ショルダーバッグタイプの「エブリデイスリング(EVERYDAY SLING)」の3種類などを新製品として、矢継ぎ早に発表している。

 

筆者は残念ながらこれらのピークデザイン製バッグ類を使ったことはまだないが、きっとカメラ好きの社員たちが考えた、「痒い所に手が届く」ような製品なのだろう。

 

 

「カメラ好きがカメラ周辺製品を作る」

 

そんな当たり前のことがなかなか出来ないのが世の常。

 

せっかく高いカメラを買ったのにめんどくさくて使わないのもよくあること。

 

ぜんぶカメラが重いせいだ。

 

な〜んて言い訳してないで、ピークデザイン製品をうまく使いこなして、久しぶりに愛機と一緒に旅に出よう!

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