食中毒
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乳製品に多い「リステリア菌」レタスの細胞内で育つ!? 米大学

 乳製品や生ハム、スモークサーモンなどといった保存食品が原因で食中毒を引き起こすとされる「リステリア菌」。日本国内では年間80例ほどリステリア症が発生していると考えられているが、欧米ではチーズやバター、アイスクリームによって集団食中毒が発生するケースが多い。このリステリア菌が、レタスの細胞組織内で生息できることを米国の研究者が突き止めた。

 

 米国とカナダでは2016年3月、オハイオ州の農産物加工食品大手ドール社で製造されたパック野菜を食べた19人がリステリア症を発症し、そのうち1人が死亡する集団食中毒があった。

 

 乳製品や生ハム、スモークサーモンなどといった、冷蔵庫で長期保存できて加熱の必要がない食品を食べる機会が多い欧米では、リステリア菌による食中毒が多く、日本でも冷凍食品大手メーカーが、米国から輸入したミックスベジタブルやコーンが汚染されている可能性があるとして自主回収した例も報告されている。

 

 インディアナ州パデュー大学のアマンダ・ディアリング助教授らは、ドール社の事件を知って、3種類の品種のロメインレタスを対象に、さまざまな条件下で栽培する実験を行い、21日間観察を続けた。

 

 その結果、539個のレタスが成長する過程で、種子や発芽した根、葉の部分の細胞内にリステリア菌が侵入して生育するのを確認した。レタスがリステリア菌に接触すると、わずか30分で植物組織が菌に感染する可能性があることも判明した。

 

 リステリア症は、24時間以内に発症する人もいれば、90日以上経過してから発症する場合もあり、その場合は原因がつかめないこともしばしば。感染すると、インフルエンザのような症状が出て、深刻化すると、細菌が全身に回って敗血症になり、死亡するケースも珍しくなく、妊婦や胎児、乳幼児や高齢者などは特に注意が必要だと言われている。

 

 ディアリング助教授は、「リステリア菌は収穫段階までレタスの組織内に生きていることが明らかになったことで、農業のやり方も考えなければなりません」と述べて、今後はレタスだけでなく、リンゴなどの果物や他の野菜についても研究対象を広げるとしている。

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