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恐怖の人食いバエ「虫刺され」と思ったらウジ虫が出てきた!英国

 西アフリカ・コートジボワールから帰国した46歳の英国人女性が、肘に痛みを感じて病院に行ったところ、できものから4匹のハエの幼虫が現れ、大ショックを受けた。国際医学誌『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』によると、当初は患者も医者も、単なる虫刺されだと考えていたという。

 

 英ロンドンの王立フリーNHS財団の病院で救急外来を担当するジョナサン・コステロ医師の元に最近、右腕が腫れて痛みを訴える女性が搬送されてきた。

 

 検査の結果、肘の周辺が赤く腫れていて、虫刺されの跡が見つかったことから、女性が10日前まで旅行に行っていたコートジボワールで虫に食われたのだろうと考え、抗生物質を投与。

 

 女性はいったん自宅に戻ったが、翌日になって腫れが悪化し、病院を再訪。患部の中で何かの虫がモゾモゾと動いているのを確認。医療チームは当初、腕から虫を搾り出そうとしたが、うまくいかなかったため、局所麻酔を行って外科手術となった。

 

 手術は成功し、4つのおできから、それぞれ生きたウジ虫が取り出された。寄生虫学検査の結果、「人食いバエ(Cordylobia anthropophaga)」と呼ばれ、サハラ砂漠より南側の西アフリカ一帯に生息するハエだと判明した。

 

 人食いバエのメスは、人が脱いだ後の湿った衣類や動物の排泄物で汚れた砂の上に産卵し、そこで孵化した幼虫が動物や人間を襲って、手足の裏やお尻、背中などの皮膚の下に潜り込んで成長する。初期であれば、押し出すこともできるが、この患者は10日以上経過していたため、無理だったという。

 

 しかし4匹のウジ虫を取り去ったあと、患者の腕から痛みは消えて、その後の経過も順調だという。医療チームは、「正体がわからなければ、患者の感染症はもっと悪化し、皮膚の下で成長した時点で自然に脱落して、英国内で繁殖していたかもしれません」と話す。

 

 国立予防衛生研究所で寄生虫について研究していた故・影井昇さんは1989年に学会誌で、「アフリカでの公演旅行から帰国した日本の若いミュージシャンの腹部が腫れて、中から1.5センチの人食いバエの幼虫が出てきた。睡眠中に何回かチクッとした虫刺されを経験した」という症例を報告している。

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