健康問題

「栗でぜん息発作?」ゴムアレルギーと果物の危険な関係 専門家が警鐘

 

 天然ゴムを使ったゴム手袋でかゆみや赤み、じんましんなどが起きる「ラテックスアレルギー」の患者は、栗やバナナ、アボカドなどの果物でも発症することがあるとして、専門家が注意を呼びかけている。

 

 ラテックスアレルギーとは、天然ゴムに含まれるたんぱく質が皮膚からしみ込むことで、アレルギー物質となって皮膚障害を起こす症状で、深刻な場合、呼吸困難や血圧低下、意識障害などのアナフィラキシー・ショックを引き起こし、最悪の場合、死に至るケースもある。

 

 日本ラテックスアレルギー研究会によると、医療従事者や清掃業、介護業などの仕事上、天然ゴム製のゴム手袋をひんぱんに使う人や、アトピー性皮膚炎などで慢性的に肌荒れを起こしている人は、皮膚のバリア機能が低下している場合が多く、発症リスクが高いという。天然ゴムは、手袋に限らず、風船やコンドーム、医療用チューブ、絆創膏など、幅広い製品に使われており、これらを使った時に、手や唇が赤く腫れたりした経験がある人は、要注意だ。

 

 また、ラテックスアレルギーの患者は、果物やその加工品を食べると「ラテックス・フルーツ症候群」を発症することがあるという。とりわけ、栗やバナナ、アボカド、キウイフルーツなどの果物には発症リスクが高く、重症化すると、ぜん息発作のようなゼーゼーとした呼吸音(喘鳴)が起こったり、じんましんやアナフィラキシー・ショックに至るケースも報告されている。

 

 同協会によると、30代の看護師がゴム手袋でかゆくなり、皮膚科ラテックスアレルギーだと診断を受けた。その後、栗きんとんを食べた際に、発作性の咳と喘鳴が起こり、救急外来で喉の粘膜に発疹が出ていることがわかった。抗アレルギー薬の点滴中、突然動悸が激しくなって吐き気を催し、意識混濁状態に陥ったため、確認したところ、点滴に使う管に天然ゴムが使われていたことが判明し、アナフィラキシー・ショックを起こしたことが判明した。

 

 このほかにも、看護師や美容師などで同様の症状が報告されており、なかには風船で遊んでいた5歳の子供が唇や瞼を何度も腫らしてラテックスアレルギーと診断されたケースもある。

 

 国内での報告はないが、米国では1991年に死亡事故が起きるなど、これまでに15人が亡くなっている。ゴム製品を扱う業界では、天然ゴム製品に含まれるラテックスたんぱく質の量を減らしたり、代替素材を使った製品の開発を進めている。

 

 同協会の赤澤晃理事長は、「血液や皮膚を調べるアレルギーの検査は、健康保険の適用内なので、疑わしい症状がある場合は、専門医を受診してほしい」とコメントしている。

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