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サンゴ礁の天敵オニヒトデ 沖縄〜豪州5000キロを旅して勢力拡大

 国内最大の美しいサンゴ礁を誇る沖縄県。連休中や今度の夏休みにダイビングを楽しむ計画を立てている人もいるだろうが、沖縄科学技術大学院大学(OIST)のグループは、サンゴを食い荒らす天敵のオニヒトデについて、沖縄から5000キロ離れたオーストラリアのグレートバリアリーフに棲息するものと、DNA遺伝情報がほぼ一致する事実を突き止めた。ごく短期間で広範囲に大量発生しているおそれがあるという。

 

 地球上の海洋面積の0.2%を占めるサンゴ礁には、海の生物の25〜30%が棲息している。石垣島や西表島など、国内最大のサンゴ礁がある沖縄県では、1957年ごろからオニヒトデが発生し始め、70〜80年代にかけて深刻な被害を及ぼした。県では過去40年間にわたって、漁師や自然保護団体の協力を得て、250万匹近いオニヒトデを一匹ずつ取り除くやり方で駆除してきた。

 

 一方、世界最大のサンゴ礁で知られるオーストラリアのグレートバリアリーフでも近年、同様の被害が広がっている。沖縄科学技術大学院大学の佐藤矩行教授は、豪州の海洋科学研究所などと共同で、それぞれの国で捕獲したオニヒトデの遺伝情報の解読に挑戦。

 

 その結果、沖縄本島とグレートバリアリーフから採集されたオニヒトデは、DNA塩基配列が98.8%一致した。さらに、オニヒトデの天敵であるホラガイと、オニヒトデの仲間を飼育した海水を入れた水槽に入れて行動を調べたところ、オニヒトデの体から分泌されるタンパク質に誘引されて、仲間の元へ集まる習性があることが確認された。

 

 研究グループは「5000キロも離れた二カ所に棲息するオニヒトデのゲノムが極めて似通っていることは、ごく短期間で広範囲に大量発生した可能性がある」と指摘し、今後、駆除をどう進めていくかを検討するヒントにつながると話している。

 

 なおこの研究成果は、英科学誌『ネイチャー』に掲載された。

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