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食べる前に「飲む」じゃなくて「振る!」イルカがタコを食べやすくする方法を目撃

「デビル・フィッシュ(悪魔の魚)」と言われて、海外では敬遠する国が多いタコは、日本人に古くから親しまれてきた食材。プリプリした食感が魅力のひとつだが、生きている時には、8本の足の吸盤ではりついて、他の獲物を逃さない獰猛さを合せ持つ。オーストラリアの大学の調査チームは、野生イルカの群れを観察中に、不思議な行動を取ることに気づいた。

 

 海の哺乳類に関する専門誌『Marine Mammal Science』に掲載された研究論文によると、豪州マードック大学のケイト・スプロジスさんと、モナシュ大学のデヴィッド・ホッキングさんのチームは、2015年に同国南西部沿岸で野生のバンドウイルカの生態調査を実施。

 

 一頭のオスイルカが大きなタコを食べる前に、何度も繰り返しタコを水面に叩きつけるようにしていることに気づいた。最初は高い知能を持つイルカが、獲物のタコをもてあそんでいるのかと思ったそうだが、興味を持ったチームは、海岸や河口付近にも調査を広げて、計1567頭のイルカを観察。

 

 その結果、タコを食べようとしている場面に遭遇したイルカ45頭のうち、実に73%に当たる33頭が同じように水面に叩きつけてからタコを食べていた。同じ群れに属するイルカもいれば、別々の群れのものもいたという。

 

 またタコの扱い方にも二通りあり、ひとつはタコの足を加えて空中でブンブン振り回すようにしてから水面に投げつけるやり方と、別の方法はタコを口にくわえたイルカが、上半身を海面から乗り出すようにして、できるだけ遠くにタコを投げてから再び回収するというもの。

 

 研究者たちはこの行動について、イルカはタコの吸盤に吸い付かれないよう十分に下処理しているのではないかと指摘。実際、オーストラリア西部のバンバリーでは、足の長さが3メートルもある巨大なタコが、8本の触腕をイルカに吸着させて動けなくして窒息死させたケースもあることから、イルカがタコの取り扱いについて学習した珍しい例だと注目されている。

 

  日本や韓国ではタコのぬめりをとって、身を柔らかくするために、塩を入れた洗濯機に回して洗った後、岩などに叩きつけるやり方があるが、原理はこれと同じかもしれない。

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