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靴ヒモ…なぜほどける?大学の研究者がマジメに取り組んだ!

 どんなにしっかり結んでも、いつのまにかほどけてしまう靴ヒモ。最近では、ゴムのように伸び縮みする素材を靴ヒモの穴に通して止める製品も開発されているが、まだまだ一般的ではない。洋の東西を問わず誰もが頭を悩ませるこの問題に、米国の大学の研究者が挑んだ!

 

 英王立協会の物理学誌『ロイヤル・ソサエティーA』に掲載された論文によると、カリフォルニア大学バークレー校で機械工学を研究するオリバー・オライリー教授も、長年同じ悩みを抱いていた一人。

 

 オライリーさんは、幼い娘に靴ヒモの結び方を教えようと、インターネットで動画を検索しているときに、結び方を教える動画は無数にあるのに、なぜほどけるのかを説明するものはないことに気づいて一念発起した。

 

 そこでスローモーションが映せるカメラで、ランニングマシン上を走る学生の足元を撮影。蝶結びされた靴ヒモが突然ほどける瞬間を目撃して、結び目にかかる重力加速度を計測したところ、7G(68.64m/s2)だった。

 

 重力加速度とは、物体を落とした際の落下速度が時間あたりどれだけ速くなるかを示したもので、富士急ハイランドのジェットコースター、FUJIYAMAの最大加速度が3.5Gだというから、いかに大きい値なのかご理解いただけよう。

 

 走行中、靴ヒモの結び目には常に7Gの力がかかり、文字通り蝶の羽のように前後にブラブラ動くことで、ヒモの先端に慣性力が働いて、結び目がほどける原因になるという。

 

 慣性力と聞いて、高校物理で習った慣性の法則を思い出した方はご明察。動き続けている物体は、力を加えなければそのまま動き続け、止まっている物体は静止し続ける。…走る電車が急ブレーキをかければ、乗客の身体が前に傾くあの現象のことで、走行中に蝶結びが揺れ動くことで、靴ヒモの先端に少しずつ慣性力が働いて、突然ほどける瞬間がやってくるのだという。

 

 研究チームはさらに、一般的な靴ヒモで、さまざまな結び方を試して実験を続けたが、しっかり結ぶことで多少は長持ちするケースはあっても、いずれは「雪崩のように結び目がほどけるだろう」と指摘している。

 

 たかが靴ヒモ、とはいうが、足元を保護する原始的な靴を人類が発明した数千年前から、足に靴をフィットさせるために、細く裂いた動物の革や、植物繊維を使ってきた。ちなみに、これまで発見された中で人類最古の靴ヒモは、5300年前の男性ミイラ「アイスマン」のものだという。

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