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キモすぎ!1.5mの殻を持つ巨大ミミズ新種発見 栄養源は硫黄ガス?

 長さ1.5メートルくらいの殻を持つミミズがフィリピン沖の浅瀬で発見された。腐った卵のような悪臭を放つ泥水に生息する新種で、火山ガスの成分としても知られる硫化水素をエネルギーとするという謎に満ちた生態に注目が集まっている。

 

 米ユタ大学やノースイースタン大学などの共同調査チームは17日、米国立科学アカデミー紀要に、「クフス・ポリアタミア」という新種のミミズを見つけたと発表した。なんだ、ミミズかというなかれ。その長さはなんと1.5メートル。通常思い浮かべるミミズとは全く異なり、体の外側を筒状の殻が覆う姿は、まるでゾウの牙のようだ。

 

 似たような姿を持つ生物に、漁師や船員の間ではよく知られている「フナクイムシ(船喰虫)」と呼ばれる貝の仲間がいる。水中の木を食べて穴だらけにする性質があることから、中世の時代から木製の船は、底に鉛の板を張って、フナクイムシの被害を防ぐ工夫がされている。

 

 しかし、フィリピン近海の遠浅の泥の中で見つかったクフス・ポリアタミアは、海の泥の中に潜り込み、泥から発する硫化水素を栄養分にしている。エサを食べない代わりに、巨大ミミズのえらに住む微生物が硫化水素からエネルギー源を作り出し、それを栄養分にしているという。

 

 オーストラリアやアフリカには数メートルに成長する種類のミミズもいるが、汚泥で暮らすイトミミズはせいぜい十数センチ程度。しかし、新種は硫黄をエネルギー源とするので、栄養分に満ちた環境であれば、どんどん成長するだろうと研究チームは推測している。

 

 研究者の一人、ノースイースタン大学海洋ゲノムレガシーセンターのダニエル・ディステル教授によると、このミミズの発見はまったくの偶然の産物で、フィリピンのテレビ局が製作していた海洋ドキュメント番組で、浅瀬の泥の中にニンジンのように埋まった奇妙な生物が紹介されているのを見て、調査に乗り出したという。

 

 生きたクフス・ポリアタミアの殻にまとわりついた臭い匂いの泥を洗い落とし、内側から慎重にミミズを引っ張り出したとき、研究者は驚きの声を上げたという。今後は、微生物から栄養分を得る生態メカニズムの解明に向けて、引き続き研究を続けていくという。

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