健康問題

1日3杯のエスプレッソで前立腺がんのリスク半減 7000人を追跡調査

 米国生まれのシアトル系コーヒーはすっかり私たちの生活に馴染み、最近では日本の喫茶店文化にインスパイアされた1杯ずつ丁寧に手で淹れる「第三の潮流(サード・ウェーブ)」スタイルが台頭するなど、コーヒーの世界にも流行がある。こうしたなか、シアトル系と双璧をなすイタリアン・コーヒーに前立腺がん発症リスクを軽減させる効果があることが、イタリア人男性約7000人を対象にした調査で明らかになった。

 

 イタリアン・コーヒーといえば、カプチーノやエスプレッソ、モカを思い浮かべるが、本場イタリア人にとって「カッフェ」と言えば、エスプレッソのこと。何かといえばバールに立ち寄って、1日5、6杯飲むことなんてざらだ。

 

 というのも、エスプレッソのカップは2口か3口で飲みきってしまうくらい小ぶり。砂糖をどっさり入れて一気に飲み干し、溶けきらずに底に残った砂糖まですくって食べるというのが本場流。

 

 そんなコーヒー文化が根付いたイタリアで、1日に飲むコーヒー消費量と前立腺がんの発症リスクについて4年にわたる追跡調査が行われた。

 

 地中海神経学研究所(NEUROMED)のギリシア人医師ジョルジュ・ポウニス氏らは、中部モリーゼ地方に住む成人男性約7000人を対象にした疫学調査を実施。その結果、1日3杯以上コーヒーを飲む男性は、飲まない人に比べて前立腺がんの発症リスクが53%低かったという。

 

 次に、カフェインありの普通のコーヒーと、脱カフェイン処理したカフェインレス・コーヒー(デカフェ)を使って、それぞれの抽出物ががん細胞にどんな作用を及ぼすか実験室で確認したところ、カフェインありの抽出物はがん細胞の増殖を著しく減少させ、転移を抑制したのに対し、カフェインレスでは効果がなかった。

 

 研究グループは「これまでもコーヒーにはさまざまな効用がある反面、飲み過ぎによるデメリットも指摘されてきましたが、今回の調査で、がん細胞に対してはカフェインが作用している可能性が高いことがわかりました」と述べている。

 

 グループの一人、マリア・ベネデッタさんは、「この実験は、“高温・高圧・フィルター無し”で抽出した伝統的なイタリアン・スタイルのエスプレッソで行われたという事実を忘れないでくださいね。よその国のコーヒーとは一味もふた味も違うんですよ(笑)」と胸を張っている。

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