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米海兵隊「砂漠のカメ」作戦って何だ?「1100匹を移送せよ!」

 北朝鮮をめぐる情勢が緊張を強めるなか、米海兵隊は先月半ば、カリフォルニア州の砂漠で、前代未聞の軍事作戦を決行した。1100匹に及ぶ野生のカメを2週間かけて移送するという作戦の目的は…?

 

 この不思議な任務に当たったのは、ロサンゼルスから東へ150キロほどの場所にあるトゥウェンティナイン・パームズ地区の航空地上戦闘部隊。

 

 この部隊が基地としているモハーヴェ砂漠は、広さ12万4000平方キロの乾燥した砂漠地帯で、北米原産のリクガメ「砂漠ゴファーガメ」の生息地としても知られる。しかし中東シリアでの空爆攻撃が現実のものとなった今、砂漠での戦闘を想定した軍事演習の必要性が高まり、訓練場を拡大する計画が浮上した。

 

 2008年から4年間かけて野生動物の生息調査のために、カメに取り付けた発信機からの信号を頼りに1匹ずつ捕獲し、93%のカメの収容を完了。

 

 1匹ずつプラスチックのケースに入れられたカメたちはヘリコプターで専用の飼育場に運び、自力で巣穴を掘ったり、エサを取れるように成長するまで保護するという。

 

 砂漠ガメ大移動作戦と名付けられたプロジェクトを取り仕切るのは、トゥウェンティナイン・パームズ航空地上戦闘部隊に所属する生態学者、ブライアン・ヘレンさん。ヘレンさんによると、1100匹の移送先は、基地から十分離れた5つの場所が候補になっていて、元いた場所の地形や環境はもちろん、移送先の生態系を壊さないよう細心の配慮がなされるとしている。

 

 プロジェクトチームは、今後5年間は残る7%のカメの移送も定期的に実施し、新天地に移ってからも30年間はモニタリング調査を行なって健康チェックを続けていく方針。

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