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米国と欧州 時差ボケどちらがツライ?薬いらずで解消する知恵

 大型連休も後半戦。これから海外に旅立つ人も多いと思われるが、せっかくの楽しい気分も時差ボケで台無し…。時差が5時間以上ある地域へ移動する場合に多い時差ボケは、睡眠障害や疲労感のほか、頭がボーッとしたり、だるさが抜けなかったり、帰国後に苦しめられることも…。

 

 京都大学とお茶の水女子大学の研究グループは、薬を使わなくても症状を軽減できる方法を開発し、動物実験で効果を確認した。勤務時間が一定しないシフト労働者にも応用できるという。

 

 そもそも時差ボケが起きるのは、24時間周期でリズムを刻む体内時計が原因。体内時計は全身の細胞一つひとつが持っていて、この集団を束ねるのが、脳の中の時計細胞だ。京大の岡村均教授らの共同グループは、コンピューター・シミュレーションを使って、時計細胞のリズムを予測。

 

 その結果、日本から西向きにヨーロッパ方向へ移動するような、現地時間が遅れる時差(1日が長くなる)では、脳内の時計細胞は現地のリズムより先行した状態になるものの、体内時計の細胞集団は揃っているので、数日で適合できることがわかった。

 

 その一方で、日本から米国に移動するような現地時間が早まる(1日が短くなる)時差では、時計細胞だけでなく、体内の時計細胞全体がバラバラのリズムを刻むようになるので、元どおりになるまで時間がかかり、時差ボケの回復が長引くことが判明。

 

 そこで、時計細胞のリズムがバラバラになるのを防げば、時差ボケから早く回復できると予測12時間ごとに明暗を切り替えて、人工的に昼夜のリズムを再現する実験室で、ネズミを使った実験に挑戦。

 

 ネズミが起きる時間を操作して、8時間の時差を二日間にわたって4時間ずつ早起きさせたところ、体内時計のリズムが崩れず、時差ボケからの回復が数日早まることが確認された。

 

 人間の場合、米国に行く場合は、旅行の前日に普段より数時間早起きすることで、一度に経験する時差を短くして、脳内の時計細胞がバラバラになるのを防ぐことで、その後の順応がスムーズになる効果が期待されるという。

 

 この方法は海外旅行だけではなく、勤務時間が固定されておらず、一定期間ごとに変わるようなシフト労働者の負担を軽減させるためのスケジュール作りにも応用可能だと期待されている。

 

 なおこの研究成果は、ネイチャーの姉妹誌『サイエンティフィック・リポーツ』に掲載された。

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