感染症

エボラ流行再び?コンゴで19人感染 WHOが追跡調査へ ワクチンの備蓄開始

 アフリカ中部のコンゴでは、先月22日以降、エボラ出血熱に感染した疑いのある患者数が19人に増えた。世界保健機関(WHO)の現地対策チームと保健省は現在、感染者と接触した可能性がある125人の追跡調査を急いでいる。

 

 エボラ出血熱をめぐっては、2014年以降、アフリカ西部のギニアやリベリア、シエラレオネの3カ国を中心に大規模な流行が続き、2万8000人以上が感染し、このうち1万1000人余りが死亡している。

 

 WHOは2016年3月、最後の感染者からウイルスの陽性反応が見られなくなったとして「公衆衛生上の緊急事態が去った」と流行の終了を宣言。それからちょうど1年が過ぎた先月22日、今度は中央アフリカのコンゴで39歳の男性が発症。

 

 この男性は鼻血や血尿、血便の症状で病院に運ばれた直後に死亡し、病院に運んだタクシーの運転手らも相次いで感染し、これまでに三人が死亡している。

 

 コンゴ保健省(DRC)は今月11日、5人の患者からエボラウイルスの陽性反応が確認されたと発表したが、その後も患者は増え続け、16日現在で感染の疑いが持たれている患者は19人に増えた。現在、さらなる感染拡大を防ぐためにWHOの対策チームが感染者と接触した可能性が高く、隔離する必要がある125人の追跡を続けている。

 

 コンゴでは、西アフリカでの流行とは別に1976年以降、病名の由来となったエボラ川流域で小規模な流行が繰り返し発生している。これまで起きた7回の流行は、いずれも人口が密集した大都市から遠く離れた地方での発生のため、感染者の数は計318人にとどまっていた。

 

 今回も、首都キンシャサから遠く離れた同国北部バ・ズエレ州での発生だが、公衆衛生の専門家は「大都市で感染が広まれば、2014年の爆発的流行が再燃するだろう」と警告。

 

 これを受けてビル・ゲイツ氏の財団が設立したスイスの慈善団体GAVIアライアンスは、大流行に備えて30万人分のエボラワクチンの緊急備蓄を決定した。製薬会社メルクが開発したワクチン「rVSV-ZEBOV」は、臨床試験によって一定の有効性が確認されており、2017年末までの承認を目指している。

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