歴史

長野の国宝・松本城「震度6強以上では倒壊の危険性も…」耐震結果を公表

 2011年と2014年に長野県で発生した地震の影響で、天守に数カ所の亀裂が入った国宝・松本城について、同県松本市は17日、「震度6強〜7の揺れに対する耐震性能が不足している」との診断結果を公表した。これを受けて市は耐震対策や来場者の避難誘導計画の策定に着手した。

 

 松本城は、2011年6月30日(M5.4)と2014年11月22日(M6.7)に相次いで起こった地震の影響で、天守の壁に複数の亀裂が入ったほか、石垣や太鼓門にズレが生じるなどの被害に見舞われている。

 

 松本市は2014年、文化庁の耐震診断指針にもとづいて、東京の「文化財建造物保存技術協会」に耐震診断を委託。3年かけた診断結果を17日に発表した。

 

 診断の結果、松本城の大天守など5棟で「全体的な強度不足」が指摘され、震度6強から7の地震が発生した場合、倒壊する危険性があるという。それ以下の中規模程度の地震でも大天守が変形する可能性があることがわかった。

 

 戦国時代に建造された松本城は、明治維新後に競売にかけられ、解体の危機に陥ったこともある。明治30年ごろには天守が大きく傾き、有志が中心になって、1903年から1913年にかけて「明治の大修理」が行われた。国内に天守を残す12の城のうち、五重の天守を頂くのは松本城と姫路城のみだ。

 

 松本市では7月にも有識者による委員会を設置して、耐震工事の計画に向けて検討を始めるとともに、避難誘導計画の策定に着手した。

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