歴史

防災歳時記7月17日紀州大水害と環境破壊と温暖化

 今から60年前、1953年(昭和28年)の今日7月17日、梅雨前線による豪雨が和歌山県北部を襲う。

 

 翌18日までの24時間で500ミリという記録的な雨量を観測した。

 

 この豪雨により、有田川、日高川、熊野川などがはん濫、上流では土砂崩れなどを起こし、死者行方不明者は1015人に及んだ。

 

 この紀州大水害で被害が大きくなった原因としては、戦中・戦後を通しての「乱伐」により山林の保水力が失われていたことを指摘するむきもある。

 

 この水害を教訓として、1988年(昭和63年)に、和歌山県で最大級の椿山ダムが日高川に建設されるなど、治水対策が進んだ。

 

 下流地域は、これで大水害の恐怖から解放されると思いきや、水害から60年近くも経った一昨年になって驚くべきことが起きた。

 

 同地方を襲った台風12号がもたらした豪雨は、椿山ダムの想定雨量を上回り、ダムは流入量と同量を放水する事態に追い込まれた。

 

 この状態は、つまり「ダムはない」のと同じこと。

 

 気象庁や研究者は、温暖化により、今世紀末には洪水リスクが最大4倍になり、20世紀には100年に一度の確率で起きるような水害が、21世紀には10年から50年に一度の確率で発生すると警告している。

 

 森林の乱伐は、「保水力」を減らすとともに、「CO2吸収量」を減らし、地球温暖化を促進させる。

 

 21世紀には紀州大水害クラスの洪水が10年に一度は起きるのか?

 

 環境破壊のつけが回って、巨大なダムでも防ぎ切れない大水害が発生する…。

 

 われわれは「負のスパイラル」に陥りつつあるのか。

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