歴史

防災歳時記7月23日首都圏大停電とエアコン

 今から26年前、1987年(昭和62年)の今日7月23日、東京都など首都圏6都県の280万戸の電力供給が停止する大停電が発生した。

 

 この年の夏は猛暑。昼休みが終わって急激にエアコンの需要が高まったことから電圧降下が発生する。

 

 交流には有効電力と無効電力がある。

 

 あいにく電気工学専攻ではないのでうまく説明できないが、極めてはしょって言えば、有効電力とは、日常われわれが家電製品を作動させるために使われる電力で、無効電力とは、そこまで送電するための電力とでも言えばいいのか。

 

 つまり無効電力は電力会社にとって大切な電力だが、電力需要が急増すると、この無効電力の需要もまた急増する。

 

 そしてある限界を超えると何が起きるのか?

 

 電力を送れなくなった変電所は自動的に系統から切り離される。変電所単位で切り離されるから、発電所から見れば急激に負荷が減ることになり、発電機が「空回り状態」になる。

 

 発電機の回転数が早くなると、交流は周波数(東京なら50Hz、関西なら60Hzとかいうもの)が上昇し始めるため、今度は発電所のブレーカー(家庭で言えばだが)が落ちて電源の供給をストップさせる。

 

 こうした状態が連鎖反応的に起き、「電圧崩壊」という状態に陥って280万戸の大停電につながった。

 その後、こうした「電圧崩壊」が起きないよう、さまざまな改善がなされた。

 

 その結果、「発電機の空回り」は起きなくなった代わりに、電力需要に対して、発電所はいつまでもふんばれるようになった。

 

 すると今度は、発電所から見れば坂道を上る自転車のように「負荷がどんどん増える」状態になるので、次第に発電機の回転数が低下して、「周波数低下」が起きることになる。

 

 これがある一定までくると、過負荷で発電機が痛まないよう送電をストップさせるから、やっぱり停電が起きる。

 

 ここで問題なのが、エアコンだ。1987年の大停電でも指摘されたが、インバーターエアコンは、電圧が下がるとインバーターが作動し、能力を維持するので電力消費はまったく減らず、というか逆に微増する。

 

 小難しい話を長々としてきたが、言いたいことは、停電を回避するためには「節電」により、電力需要の絶対量を減らすだけでは足りないということ。

 

 発電所からの送電が止まるのは、「急激に負荷が減ったとき」と「急激に負荷が増えたとき」だ。

 

 だから「昼休みが終わってみんながエアコンのスイッチを入れる」みたいに多くの人が同じ時刻に同じ行動をして急激に負荷を増やせば、今だってあっけなく「大停電」ということになりかねない。

 

 だからと言って、これが筆者の「夜型生活スタイル」を正当化する理由にはもちろんならないが。

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